ヨーロッパ近代の社会史 工業化と国民形成
ヨーロッパ近代の社会史 工業化と国民形成 / 感想・レビュー
\サッカリ~ン/
1章で展開される欧州感は特に目新しい記載はない。世界史Bの西欧近代史を暗唱できる人ならば、既に備えている知識の確認に終る。むしろ本書で注目すべきは4章と感じた。ここでは書物(資料)の歴史学における扱いと、それに伴うテクストの変化を取り上げている。歴史と書物は切っても切れない関係故に、より一層社会情勢やシステムを踏まえる必要があるという筆者の発信。そしてそれを基にした考察と書物の役割が綴られる。『読者は受け手ではなく密猟を楽しむ狩人である』という筆者の読み手への期待と想いが込められた奥深い一節となっている。
2013/03/28
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