戦後責任 アジアのまなざしに応えて
戦後責任 アジアのまなざしに応えて / 感想・レビュー
山口透析鉄
これも市の図書館本で読みました。 日本の近現代史に詳しい方々の座談会で、サンフランシスコ講和条約の問題点等から置き去りにされてきた個人補償の諸問題、それぞれの実践の中で得られたものが語られていて、非常に読み応えがありました。 学識経験者であるのと同時に行動の人達でもあるので、マスメディアに出てくる評論屋とは言葉の重みがまるで違うんですよね。 具体的に被害を受けた人がいるので……言うまでもなく、藤岡信勝レベルでは確かに何も見えないです。こういう取り組みの具体例として多くの示唆に富む本でした。
2023/05/28
壱萬参仟縁
戦後責任は、’50年代にキリスト者や吉本隆明、武井昭夫が使ったが、定着したのは‘70年代市民運動で定着(ⅹ頁~)。大熊信行『国家悪』1957年の意義は大きいという(大沼名誉教授33頁)。また曰く、人権を守るはずの裁判官には、人権は国民の人権であって人の人権ではないという思い込みがある(98頁)。戦後責任を考える会の活動と停滞(158頁~)。集団的自衛権、特定秘密保護法の時代、責任の内実がシビアに問われる。
2015/01/11
ののまる
本当にすごくすごく勉強になった! そしていかに自分が何も知らないかも! 知らなければ。そして血肉にしなければ。焦る焦る。
2023/08/20
エドバーグ
野中広務が、戦時に死亡負傷された在日の方々への補償法設立に尽力されたのを 初めて知りました。稀有の政治家とは思っていましたが、立つ位置というか視野がここまであったとは。戦後責任の根本は、非欧米の方々への官民そろってある差別意識を抽出して 当事者を変えていく事との主張に深く同意します。
2021/01/12
かに
戦後、日本に併合されていた朝鮮半島出身者は戦犯としては日本人同様裁かれるが、軍人恩給は貰えなかったり、日本国籍は貰えず韓国政府からは帰国も拒絶されたりした。 日韓請求権協定や日中共同声明もあり、賠償を公には請求出来ないなどの問題もあり、民間には補償がいきわたらない。 そういった戦後責任を対談形式で、これらの問題に向き合う専門家達が問題点や解決に向けての取り組みを話す。
2022/12/07
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