語る 兜太――わが俳句人生
語る 兜太――わが俳句人生 / 感想・レビュー
しゃが
2月に98歳で逝ってしまわれた俳人金子兜太さんのこれまでの生涯、そして95歳の時の心境をまとめた一冊。戦争体験から反戦の句「左義長や 武器という武器 焼いてしまえ」などを詠まれていたことは知っていたが、「銀行員ら 朝より螢光す 烏賊のごとく」が日銀だとは想像できなかった、社会派の印象が強かったが私の好きな句は「酒止めようか どの本能と 遊ぼうか」、味のある為人が、そして“人らしく”が反戦、反骨とともに生きられたのかも…。
2018/05/18
ふう
骨太の一冊でした。人間金子兜太の骨格がでんと在り、黒田杏子さんの的確な表現でその魅力がぐいと眼前に開かれた感じ。再読して戦後俳句史の流れを知識として整理したいところだけれど、初読で感じた金子兜太という存在の「ぶっとさ」を損ないたくなくて、躊躇しています。自薦百句、面白い、っと瞠目するものから遠慮するわ、というものまで、とにかく間口が広いな、と感じた。95歳、ダテに歳とってない。
2015/01/17
takao
ふむ
2020/10/11
Cazuo Tanaka
医者の息子に生まれ東大に入り、トラック島に戦争で行き、戦後は日銀に復職し俳句と共に生き現在、95歳。これだけだと、エリートで才能ある凄い人となるのだが、まったく違っていて日銀では窓際族であり、決して東大ぶらない人(上から目線)のようである。俳句って私からすると遠い世界だが、ちょっと覗いてみようと思った。
2014/10/05
algon
俳人金子兜太氏の俳句人生総集編。氏は戦地トラック島からの生還を期に俳句に打ち込むようになりました。私は俳句をやりませんが没後30年の父が氏と同年生まれ、同じトラック島春島で炊事兵をしておりました。おそらくは同じ時間を過ごし同じ帰還船に乗ったと思われます。氏は士官であり父は軍属でありましたので面識があったかどうかは不明です。氏の経歴は数年前TV番組で知りました。ともあれ読了後の本は今、仏前です。
2014/09/07
感想・レビューをもっと見る