日本語の近代 (日本の50年日本の200年)
日本語の近代 (日本の50年日本の200年) / 感想・レビュー
gorgeanalogue
「「国語」としての「日本語」が最も必要とされたのは、植民地支配の前線であった」という顛倒、「演説というモード」、言文一致体が主に音便と文末の助動詞が問題になっていたこと、などの本書で気づかされた指摘も多いが、多用される「言説」「内部/外部」といった用語がいかにも90年代風で、鼻白む。そして後半は特に近代史・戦後文学史の事例を羅列するだけで精一杯という具合。各章は行き当たりばったりの関心が脈絡なくずるずる続く、という印象で、何より「面白くない」。
2023/01/21
gorgeanalogue
冒頭の宣長批判(国学が清朝考証学の影響を受けている)は面白いし、他の近代文学論にはあまりない文体と句読法などに着目する視点は評価できると思うんだけど、あとがきで告白しているように、イヨンスクなどの所説を消化するので、精一杯、という印象はぬぐえない。おっ?という問いかけがあってもへなへなと解消されてしまうことが多い。終章の「反復としての敗戦後」では年表的な羅列に終わってしまっている。
2024/09/17
あだこ
名詞、接続語、助詞、助動詞という流れで「日本語」が、西洋言語への対形象化の図式で確率されていく過程を素描。国語ナショナリズム関連の入門書か。
2009/03/29
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