歴史と反復
歴史と反復 / 感想・レビュー
hitotoseno
タイトル通り歴史の構造、そこから導き出される反復、そしてそこから漏れていく出来事などをあつかった、しかし執筆年代はバラバラな論考を複数集めている。歴史、文藝、仏教と題材は多岐に渡るが全てが一定の認識に基づいて批判されていく。かといって一面的な図式化に終始するわけでもない。コンドラチェフの波なども持ち出しはするが、それぞれの論点に対して詳細に分析がなされていくため、それぞれの分析が全体を見通す視点を作りだしている印象を受ける。断片の寄せ集めがここまで統一された思想を表せる事実に著者の思考の強度を思い知った。
2012/02/06
ひろゆき
第一部に興味があり読む。マルクスの『…ブリュメール十八日』を資本論にならぶテキストと称賛しその方法で近代日本を読み解く。攘夷派が開国派へ、反征韓論者が大陸進出に積極的になるなど、立場異なるものがやがて対立した前者を反復する歴史。鮮やかで読んでて興奮した。第二部はそれを文学史に広げ、三島、大江、村上春樹作品を分析。乃木殉死の明治四十五年、三島自決の昭和四十五年、三島の細緻な計画性をうかがわせるものだが、ミステリーを読むよう。
2013/11/29
madofrapunzel
★★★★☆ 「歴史は繰り返す」といった、シンプルな理解では収まらないが、基本軸はやはりそれに少し近い。定本にふさわしい、内容に満ちた一冊でした!
2012/06/15
makarinx
再読。
2009/11/03
fseigojp
民権運動に挫折して帝国主義的にアジア主義ヘいくもの、または国内で西欧型の社会主義へいくものがいたんですね 後者の多くはアナキストだったのでしょうか
2014/11/02
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