おじさんはなぜ時代小説が好きか (ことばのために)
おじさんはなぜ時代小説が好きか (ことばのために) / 感想・レビュー
キムチ
タイトルと想定からして、筆者が飲み屋で語る類のものかと思いきや、足が地に着いた近代~現代への西洋文学も踏まえた芸術思想論であり、途中からはメモを片手に正座する気持ちで読了。筆者が言う「おじさん」は社会における「暗黒大陸の住人」であって、敢えて性差を考えず知識教養人、文学を自分の欲する気持ちで読みたいと考える人々と置き直してもいいかな。明治から大正、そして昭和・・帝大VS私大、金満インテリ層VS積み上げ苦労人、お友達文学人VS一匹狼物書き等種々の対立が連綿としてある。
2014/01/14
スノーマン
司馬遼太郎の燃えよ剣ぐらいは読んだけど、なんと佐藤雅美さんを女性だと思っていた…ぐらい時代小説に詳しくはない。おじさんにも詳しくない。それでも作家の生い立ちや意外な性格も紹介されているので、自ずと作品にも興味がわき、全て面白そうに感じた。おじさんになりつつある伴侶の本棚には司馬遼太郎だらけなので、少しずつ拝借させてもらおう。現代ものでは少々照れ臭くもある、純粋さや青春をとても感じる作品たちばかりなんやね。おじさんは実はピュア、という新たなイメージが加わった。
2014/03/02
ドナルド@灯れ松明の火
「近代小説ではやれないことを時代小説ではやるのだ」「時代小説はその著された時点の現代小説と言える」は私も薄々思っていたが著者関川夏央に断言され間違ってはいないと思った。時代小説の本質を分かりやすく解説してもらい目から鱗の箇所も沢山あった。作家の考え方や書かれた時期、作品の舞台の時代をよく知ることが大切だ。山本周五郎にはじまり吉川英治、司馬遼太郎、藤沢周平、山田風太郎たちの各人の育った環境・性格とその考え方が作品のテーマや内容に与えた結果がストンと腑に落ちた。いい本に出合えた。
2011/06/13
telephone
途中で再読だと気づいた。(;´д`)
2022/05/08
マカロニ マカロン
個人の感想です:B。今週は時代小説や日本史の特集を続けて読んでいる。そんなタイミングでこの本を読んだ。私もおじさんの一人だが、ここにあげられている山本周五郎、吉川英治、司馬遼太郎、藤沢周平、山田風太郎、長谷川伸などの時代小説はほとんど読んだことがないし、この本を読んでもあまり自分の触手は伸びそうもなかった。というのも、私は本質的に人が3人以上死んだり、戦争戦闘シーンが好きではない。また、藤沢周平の「家と個人が一体化」するような思考は苦手な分野だ。森鷗外の歴史小説が例示されていて、読みたいものもあった。
2019/08/29
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