ゲド戦記別巻 ゲド戦記外伝 (ソフトカバー版)
ゲド戦記別巻 ゲド戦記外伝 (ソフトカバー版) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
外伝として語られ、5つの物語断章から構成されている。これらのうち、最も古体としての伝承の風格と趣きを持つのは、ゲドの時代から300年を遡った時代を語る「カワウソ」だ。その物語としての終結部もまた霧の彼方に溶解してゆくかのようで、それこそがまさに古伝承の古伝承たるゆえんだろうか。間に置かれた3つの断章は重みはやや薄いものの、「湿原で」にはかつての大賢人ゲドの姿が垣間見られ、読者を幸福な回顧へと誘う。また、最後の「トンボ」の終幕は実に壮大であり、いよいよ最終巻へ向かう読者に大いなる期待を抱かせるのである。
2017/08/25
ケイ
前巻までは、物語についていけないままに読んでいたところもあったが、これで疑問点が色々と氷解した感じ。読めてよかったが、しかしワクワク読むと言うのとは違うかな。【オジオン】の師匠の話、【竜】についての話は、興味深かった。あとは、いよいよ最終巻
2016/06/21
波璃子
ロークの学院を作ったカワウソの話やオジオンの師匠ヘレスの話、アイリアンの話など主要な登場人物以外のエピソードを知ることができさらにゲド戦記の世界が広がった。本の分厚さなどまったく気にならない。この作品では、多くの人たちが自分探しの苛酷な旅に出る。旅に出ると決めて行動に移し目的を果たす、ということはそう簡単なことではないし事実みんな苦労しているわけだけれど、それでもやってみる価値はあるのだろう。やっぱりゲド戦記好きだなあと再確認。いつかシリーズを読み返したい。
2015/03/10
ふぁるく
今一度、アースシーを訪ねる。作者の物語る世界の広がりは、外に内にしっかりと宿り根付くもの。アースシー解説もダイジェストながら、その一部しか説明のなかった歴史にも触れており、ぼんやりとしていたあらゆる像を鮮明にしてくれた。短編は、今の所オジオンの登場する「地の骨」が一番好き。ラストの着地が丁寧で、すっぽりと収まる感覚が心地よい。…終わらせるのが怖かったこのシリーズにも、あと一歩のところまできてしまった。でも再び流れた作者の、アースシーの「現在」を見届けよう
2021/09/18
shiman
再。Ⅴの再読から続けて読むはずが2年経っていた(笑)前回同様「地の骨」「湿原で」がよい。もうリタイア状態だって、大きな過ちをした後だって、自分の出来ること、なすべきことを成すだけなのだ。時系列にまたⅣ.Ⅴに戻りそうだわ。
2020/06/26
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