日本人よ! (伊丹十三選集 第一巻)
日本人よ! (伊丹十三選集 第一巻) / 感想・レビュー
ぐうぐう
監督としての伊丹十三の作品には熱心に接してきた(映画は公開時に劇場ですべて観ている)が、エッセイストとしての伊丹の作品は、映画の撮影日記を読んだくらいで(これもまた、監督としての副産物だ)、積極的に読んでは来なかった。そんなわけで、没後二十年を機に編まれたこの選集は、書き手としての伊丹に触れるにはうってつけに思えたのだ。1巻は「日本人よ!」というタイトルからもわかるように、天皇、古代、戦争、食、あるいは異国を通して、日本人の姿を照らそうと試みるエッセイが収録されている。(つづく)
2019/03/30
くさてる
すでに既読のものも多かったけれど、面白かった。冒頭の「天皇」は、この時期に読んだおかげで、さらに腹に来るような重さを感じるものだった。教養人とはこういう人のことを言うのだろう。時代を感じる文章でもあるけれど、それがさらに馥郁な香りをかもしだすような、そんな内容だった。
2019/03/30
ほし
伊丹十三選集、1冊目は「日本人よ!」となっています。 なんといってもこれまで文章化されていなかった、伊丹さんがナレーターを務めた番組「伊丹十三の古代への旅」が収録されているのが目玉でしょうか。これがまた、単純に読み物としても面白い。伊丹さんが古代をテーマに日本人のルーツなどに迫る番組なのですが、伊丹さんの知性とユーモアが炸裂しております。古代の道具の進化に感心しながら、「こういうのに全然感動しない人がサ、たとえば、ダンヒルのライターなんか持ってても全く無駄だと私は思うわけね。」とか、伊丹さんらしくて最高。
2019/04/21
よみ
日本人とは何か…ということが歴史や言語、食事や対話など、あらゆる視点から語られていて、非常に興味深かった。 あまり感傷的でないのも読んでいて快かった。
2019/08/21
Ryoichi Ito
全3巻の第一。多くは単行本で読んでいたものだが,数十年経って再読し,あらためて感銘を受ける。すべての作品にこちらの知的好奇心を刺激するものがある。今回特に面白かったのは「天皇日常(猪熊兼繁先生講義録)」と「古代への旅」だった。後者は初読。第二,第三巻が楽しみだ。
2019/02/10
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