小説をめぐって (井上ひさし 発掘エッセイ・セレクション)
小説をめぐって (井上ひさし 発掘エッセイ・セレクション) / 感想・レビュー
あまみ
発掘エッセイ・セレクションと銘打っているとおり「お宝エッセイ」他の作家の本の解説や雑誌に載せたエッセイを集めたもの。▽「ひさし」本名は廈と書く。文字の連想から厦門(あもい)とか草履(ゾウリ)とか呼ばれたことがあるそうだ。本人は怒っていたが、笑ってしまった。出生から生い立ちは複雑で、児童養護施設で過ごしたことを初めて知った。いろいろな作家のことも記しているが、宮沢賢治と藤沢周平のものが良かった。エッセイ集としては珍しく、ほぼ一気読み。文章が上手いと思った。
2022/02/02
チェアー
小説やことば、作家をめぐる原稿のまとめなのだが、井上ひさしの交遊関係がわかって興味深い。特に藤沢周平との関係を語った文章がいい。ぽつりと語る藤沢の言葉が井上に染み込んでいく様子。城下町の様子をオリジナルの地図をつくるほど、井上が藤沢の小説に入れ込んでいた様子も素敵だ。藤沢周平を読み連ねたくなる。
2020/11/02
美幸
面白かった。お気に入りは同郷の藤沢周平との交友録。って言ってもお会いした回数はそう多くはなかったそうですが。井上さんは藤沢さんのファンの様で彼の作品を読みながら海坂藩の地図を書くという凄いことをしていたそう。あぁ、山形名物の小茄子の浅漬けが食べたくなった。
2021/01/05
はるさん
作者の「発掘エッセイ・コレクション」シリーズの三作目は、自作を含めた小説についてのあれこれを語る。松本清張、司馬遼太郎、藤沢周平等の大作家の作品に触れた書評は、作者らしい優しく真摯な眼差しが感じられて楽しい。
2020/09/02
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