東京たてもの伝説 (岩波人文書セレクション)
東京たてもの伝説 (岩波人文書セレクション) / 感想・レビュー
夜の女王
1996年刊行の本の再版。藤森氏と森氏が古い建物を調査している様子が、そのまま会話形式で書かれているので非常に読みやすい。30年近く昔にはまだまだ古い建物が残っていたのだと思うと感慨深い。最初は同潤会アパート。見たことはあるが、あのころはただの小汚い建物だと思った印象しかない。建築史的に貴重な建物と言えど、風呂のない住宅では解体も時代の流れだろう。アパートの写真は懐かしい感じだ。次は渋谷代官山の平塚(ニチロ漁業の創業者)の邸宅。1993年の事なので、このお屋敷は既に無いだろうと思う。残念!
2020/05/20
まやま
1996年に刊行された本を2012年に再発されたもの。初版の頃からなんとなく気になっていた記憶がある。単に建物の話だけじゃなく、人々の暮らしや都市の歴史がうかがえて面白かったねぇ。同潤会アパートって、代官山とか表参道とか、おしゃれなイメージがあったが、関東大震災後のスラム・クリアランスが一番の目的だった というのが、へぇーって感心した。あと、下町の商家の、店は金を生むけど、生活は生まない ってくだりも印象的だった。
2014/06/03
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