井上ひさし短編中編小説集成 第1巻
井上ひさし短編中編小説集成 第1巻 / 感想・レビュー
読書国の仮住まい
著者初の長編『ブンとフン』、短編集『いとしのブリジッド・ボルドー』、既読につき感想は省略。 著者初の活字化された小説『燔祭』。 ストリップ小屋で働く進行役が主人公。 連載途中で中断、未完。 講談として『弁天小僧』『お嬢吉三』二篇。 フン先生の活躍譚『フン先生の初恋』 ラジオで聞いた女性ディスクジョッキーを好きになり、捕まえた猫を届けに局へ向かう。 この猫はとても価値があり、しかもテレビ局の視聴率を上げる恩恵をもたらす。 これを追って2人組も乱入。 あと1話で完結らしかったが、結局未完。 怒りは鎮まらない。
2021/04/10
Hiro
少し時間がかかった。後年の諸作と比べると風刺や駄洒落、ギャグがそれほど面白くなく、特にいとしのブリジットボルドーの幾つかはちょっと退屈だったのだ。しかしブンとフンや、最後の方の幾つかの単行本未収録作品は十分に楽しめた。小説を書けない小説家フンの話はとても魅力的だ。
2021/12/30
美甘
p.343「このちいさな城の人たちはみんなこの城からの脱出を最大の望みとして毎日を暮らしているのだ。(中略)とにかくなにか思いもかけぬ幸運がめぐってはこないものだろうか。たぶん来ないだろう。しかし、わたしは漠然と心の底でそれを待っている。この城全体が救い主の到来を心待ちにしている。」
2017/10/13
kikizo
懐かしい「ブンとフン」に「フン先生の初恋」までの10篇。「ブンとフン」は北杜夫の「船乗りクプクプの冒険」と双璧のおバカ小説だ。始めて読んだのは中学2年生。あまりのあほらしさに感激し、友人と回し読みしたものだった(笑)今読んでもあほらしい(笑)読んだこともない方は、ぜひどうぞ!
2014/12/03
さくひ
『吉里吉里人』から著者のことを知り、エッセイ集や『父と暮らせば』のCD等少しずつですが、作品を追いかけている次第です。さて題名の通り、この本には中編短編の作品が収録されていますが、そのうちの一つ『ブンとフン』は、頁のなかを自在に駆け回る文章やどんでん返しの多い練られたストーリーがとても楽しかったです。他の作品も面白かったのですが、ただ本の構成が惜しい。未完のものはタイトルの下にきちんと書いておいてほしかった。話が佳境にさしかかったところで(未完)と書かれちゃ、続きが気になって仕方がないじゃありませんか。
2019/07/21
感想・レビューをもっと見る