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ウイルスと地球生命 (岩波科学ライブラリー)

ウイルスと地球生命 (岩波科学ライブラリー)

ウイルスと地球生命 (岩波科学ライブラリー)

作家
山内一也
出版社
岩波書店
発売日
2012-04-14
ISBN
9784000295925
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ウイルスと地球生命 (岩波科学ライブラリー) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

これまでウイルスというのは細菌とともに典型的な病原体であるとばかり思いこんでいた。ところが、それはきわめて狭小な範囲でのことであったようだ。そもそもこの分野の研究が飛躍的に進んだのは比較的最近のことのようであり、人類がこれまでに知り得たウイルス自体が全体のほんの一部であったらしい。たしかにウイルスは30億年以上も前から生物と共存しており、生物にとって一方的な敵であったなら、両者の共存はあり得なかったであろう。それどころか、生物の撰損そのものや進化にもウイルスが関わっていることが分かって来たらしい。

2020/07/06

アキ

著者は、国立予防衛生研究所で天然痘・牛痘の根絶に関わり、永年ウイルス研究に従事してきた専門家。1897年口蹄疫の原因としてウイルスの発見から、20世紀に病原体としてのウイルス学が発展したが、21世紀になり新たな展開を見せ始めているという。2000年に胎児の合胞体栄養細胞がウイルスにより作られ、2003年ヒトゲノム研究によりトランスポゾンとレトロウイルスの関連により遺伝情報の約半分はウイルスに関連したものであり、更に霊長類の誕生とレトロトランスポゾンの爆発的増加が同じ時期だったため、進化の推進に重要な役割⇒

2020/09/14

syota

読友の方のレビューで知った本。ウイルスについては、細菌より小さく生物と無生物の境界線上にあるもの、という程度の知識しかなかったので、内容に驚いた。胎児を母体の免疫反応から守る(母体から見れば胎児は異物)善玉ウイルスや、生物の進化を推進するウイルス、地球環境に影響を及ぼしているウイルスなど、知らなかったことばかり。この分野の研究が本格化したのは今世紀に入ってからで、解明されたのは全体のほんの一部に過ぎないとのこと、今後の展開が楽しみだ。最先端の内容を平易かつコンパクトにまとめた好著と思う。

2020/09/13

hakootoko

細胞に関するものは、聞く度にぞっとする。そもそも人体が細胞からなっているというのがぞっとする。自分の体のなかにいろんな生物がいっぱいいるみたいな怖さ。それじゃなくとも、腸内や口内にいる細菌群の多さ。人混みに入ったとき、「ああ、ここの人たちひとりひとり全員が恋とか悩みとかあるんだあ」ぼええ。みたいになるときと同じ感じで、ぼええってなる。そして、それよりちっちゃなやつら、ウイルスたちの話は、もっとぼええってなる。細胞に入って、増えて、出て行くの?こわいよー。おれのDNAはウイルスも含むってなにその話。こわい。

2015/07/26

ふぇるけん

人間や羊の出産を守っている内在性レトロウィルスや、光合成するウミウシに存在するウィルスなど、病原菌以外の役割のウィルスについての紹介。海中にはシロナガスクジラ7500万頭分のウィルスが存在しているらしい。生物の誕生から進化にウィルスがどのような役割を果たしてきたのか、研究はまだ始まったばかりだ。

2015/10/04

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