分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議
分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議 / 感想・レビュー
starbro
河合 香織、2作目です。2021年本屋大賞ノンフィクション本大賞ノミネート作ということで読みました(既読5/6)わずか1年前の出来事ですが、もう少し前のイメージです。今でもそうですが、未知の新型コロナウィルスとの闘いの中で、何とか頑張ったということなんでしょうね。日本も世界もコロナを必要以上に恐れ、あたふたしているような気がします。 https://www.iwanami.co.jp/book/b570570.html
2021/12/23
ろくせい@やまもとかねよし
20年2月1日新型コロナウイルス感染症を指定感染症に指定し、厚労省に設置したボード。すぐ内閣官房の専門家会議へ。このメンバーに対する取材で、当時の施策決定を振り返る。著者の考察は、事実を伝える責任を大切にする行政と事実をありのまま伝えるべきとする専門家の対立。未曾有な非常、有事と捉え粉骨砕身する関係者の取り組みを知る貴重な記録。混乱の要因は、非常時行政に対する法的整備の不備か。社会制限する権限とその責任の所在が不明なため微妙な政局に。ただ「前のめりだったと認めたほうがいい」との尾身さんが副座長でよかった。
2021/12/05
trazom
助言者に過ぎないコロナ対策専門家会議が、自ら見解や状況分析・提言を発信することに多くの批判が寄せられた。「無謬性の原則」に拘る官僚には、データや政策決定の根拠をオープンにするよう迫る学者たちが目障りなんだろう。しかし、「前のめり」との批判を恐れず、発信すると決断し、尾身先生たちは分水嶺を超えた。「いざ大事な時には、言うべきことを言うことが公衆衛生で最も大切だ」との信念は揺るがない。「座右の銘は」と問われ、尾身先生は「コヘレトの言葉」の一節を挙げる。それを知って、この人がどれだけ深い思索の人物かがわかった。
2021/06/14
honyomuhito
意識しないようにしていたがここ一年程ずっと腹を立てていた。結局今になって押し殺しきれなかった怒りに振り回され、わしゃどこの王蟲やというくらい我を忘れて怒って本質を見失いそうになったりしている。原点に立ち返る意味で今こそ読むのにふさわしい本だった。新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の発足から廃止までの約5ヶ月間を振り返るノンフィクションである。本を読み終わっても腹の立つことはまだ多い。多いのだが少しだけ気持ちの持っていき場所について考える余裕が出来た。途中経過での振り返りも大切だと確認した読書であった。
2021/07/12
てつのすけ
新型コロナウイルスは、未知のウイルスであり、誰も、何が正解かを知ることができないにもかかわらず、批判を受けておられたことを知らなかった。専門家の方々には、批判を跳ね返して、これからの活動に尽力していただきたい。
2022/08/21
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