人間晩年図巻 2004―07年
人間晩年図巻 2004―07年 / 感想・レビュー
まーくん
2004-07年。この頃、私は何をしてただろう?彼らの訃報自体よく覚えていない。「棺を蓋いて事定まる」というが、印象に残るはマーロン・ブラント、本田靖春、貴ノ花(初代)、茨木のり子、吉村昭。著者の博識なこと、勿論調べられたのであろうが文化的教養の深さ・広さには恐れ入る。M・ブラントの生涯などグイグイ引き込まれる。単に知識ではなく文章力、構成力のなせる技か?素人がプロの作家を褒めても仕方ない。もう一人再認識させられたのは本田靖春元読売社会部記者。目的意識が明確な記者魂はフリーになってからも変わらなかった。
2022/07/20
ma-bo
シリーズ第4弾。2004年〜2007年に亡くなった人の人生と晩年を記す。このシリーズは人選がいわゆる一般的な知名度で選ばれてる訳ではないから申し訳ないけど分からない方もそこそこ多く、飛ばし読み気味になるのだか(_ _;)、さすがに過去のシリーズに比べて知ってる方が増えました。
2022/01/20
TakaUP48
著名人26人の晩年が並ぶ。江戸好きで酒豪の杉浦日向子。強烈な反戦詩と印象的な「別れの手紙」を書いた茨木のり子。2度のパルム・ドールを取り、小津安二郎に敵愾心を持ていたらしい今村昌平。ザピーナツ「ふりむかないで」を書き、昭和ポップスを引っ張った宮川泰。テレビ番組を作り、政治に顔出した器用人青島幸男。著者の脱線で民放TVの黎明~全盛期?の大物達大橋巨泉・前田武彦・永六輔・小島正雄がドンドン出てきて懐かしさと驚きを再確認。「はっぱふみふみ」いと懐かし。一方、殉職した警官・宮平邦彦氏も登場。人命の尊さを今一度!
2022/03/02
kawa
作家さん、網野善彦氏、坂田寛夫氏、杉村日向子氏、吉村昭氏はしっかりテイク・ノート。「へェェ」と思える小ネタもあるのだが、シリーズ4巻目で私的にはややマンネリか。自分の興味のない方については冗長を感じてしまう。
2022/09/17
踊る猫
ある意味では悪趣味な企画ではある。が、読んでいて不思議とすんなり読めるのはこの書き手の持つ品性故か。死を観念的に弄ぶでもなく、感傷的になるでもなくひとりの人間の生き様・生活に肉薄し、そこから彼や彼女の生きた証を探り出す。人生はロングショットで捉えると喜劇になる、と言ったのは誰だったか。著者の筆致にかかれば人生を俯瞰して捉える視点が確保され、そこから同じようにロングショットで見た死生が連ねられる。喜劇的でもあるが、その喜劇が(くどいが)こちらにもどこか爽やかとも言える後味を残す。なかなか侮れない企画だと思う
2022/02/04
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