岩波 古語辞典 補訂版
岩波 古語辞典 補訂版 / 感想・レビュー
夜間飛行
辞書を翻訳装置としか考えなかった私にとって、言葉の成り立ちや意味の変遷にまで立ち入ったこの辞書は、辞書というものの概念を変えてしまう本だった。それまで何気なく通り過ぎていた言葉にいろいろな方向から光を当て、深くつき合う方法を教えてくれた本でもある。例えば詠嘆の終助詞について、…「や」はかけ声から転じて相手の反応に期待する、「よ」は呼びかけ・念押しから出て自分の考えを押しつける、「は」は「~は?」と問いかける言い方から転じたもの、「も」は言い放たず不確定の意を添える…と、それぞれの個性を知れば親しみも湧く。
2017/12/29
Ayumi Katayama
与謝野晶子関連を読んでいて久しぶりに繙いてみた。実に30年ぶりくらいである(笑)。末尾に「基本助動詞解説」というのがあって、読んでいてなかなかに興味深い。『き・けりは、回想の助動詞である。』 「き」は「逢わざりき」、「けり」は「悲しかりけり」などと使われる。これを『回想の助動詞』としている。「過去」ではなく「回想」。古代の日本人にとって時とは極めて主観的なものであるとして、次のように解説する。
2018/06/03
感想・レビューをもっと見る