安岡章太郎随筆集〈6〉さまざまな旅
安岡章太郎随筆集〈6〉さまざまな旅 / 感想・レビュー
eiro
『サアカスの馬』からふと思い、著者の主に紀行文の多い随筆集を手に取った。戦中を生きた人の昭和の社会や文化を切り取って見せた随筆集。今もあるのだろうか。誰もが簡単に外国に行けない時代、出版社からのあご足つき、あるいは外国の文学協会等から招待を受けるなどで海外へ赴き、自由に見て語ってもらおうというものが多い。ソビエトでは、ドイツに冬の兵糧攻めに遭い約60万人が亡くなったレニングラードで「原爆被害の比に値しない」と言ったり、好き放題である。まだ海外慣れしていない虚勢の一つなのか。もう少し冷静になれなかったか。
2023/11/26
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