KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

荷風全集 第26巻

荷風全集 第26巻

荷風全集 第26巻

作家
永井 壮吉
稲垣 達郎
出版社
岩波書店
発売日
1995-01-01
ISBN
9784000917469
amazonで購入する

荷風全集 第26巻 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

newhavana

断腸亭日常の最終巻。前期の執筆意欲満々の時期に比較して、はたしてやる気があるのか、ただ継続のみに意味を見出しているのか、と強く疑問もわいてしまう内容。最終ページに近づくほど、記述は一日一行がひたすら繰り返されてゆく。体力・気力の減衰がダイレクトに文章に反映され、遂にその日を迎えることになる。これから自身の老いを自覚せざるを得ない私としても、身につまされる痛々しさがページから湧いてくる悲しみと慟哭の書。某日荷風は汽車をどのように乗り継いだのか、何を思ったのか私の町を訪れ駅前で一服して帰っていたのだった。

2024/06/18

感想・レビューをもっと見る