芥川龍之介全集 第6巻
芥川龍之介全集 第6巻 / 感想・レビュー
てれまこし
1920年3月~6月。不相変長編を書こうとして途中で嫌気がさして投げだしてる。あらゆる芸術作品は完成品でなければならない。そういう高い志をもってるのに、実際には書きまくらないと飯が食えるようにならない。芸術家になるためには売文が避けられない。才能があるのに凡庸な世間に認めてもらえないのか、そもそも才能がないのか、俗物を批判してみたり、自己を卑下してみたりしてる。だが、他人より高い志を維持してるということが売文家ではない芸術家としての拠りどころだから、ダブルバインド状態。素戔嗚の心情も多分彼自身のものだ。
2024/03/23
よしださいめい
「南京の基督」「捨児」「杜氏春」といった短篇は、何回読んでも、物語の展開が楽しい。結末もいいが、物語の“その後”を読者が勝手に想像し、どうなったのかと想像するのも楽しい。「素盞嗚尊」「老いたる素盞嗚尊」は、個人的には、難しい。もう少し読み込みたい。「骨董羹」は随筆で、興味深いが、漢語が多く、時代も遠くなったという感もある。
2020/08/16
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