芥川龍之介全集 第9巻
芥川龍之介全集 第9巻 / 感想・レビュー
てれまこし
1922年1月~23年3月。この時期になると芸術至上主義や理知的であることの批判が目に付く。以前の自分を批判する自己批判でもある。「一夕話」で通人の気前のいい旦那を捨てて浪花節語りと駆け落ちする芸者小ゑんに共感する和田さんも芥川だが、受動的で幸せを掴みとれない六の宮の姫君も芥川だ。小ゑんみたいに行動したいんだが、姫君のように生きてる。あまり有名な作品がない中で比較的知られてる「トロッコ」は自伝的な作品かと思っていたが、他にモデルがいるようだ。しかし、美でも理知でもない何かを感じさせる。「魚河岸」もそうだ。
2024/08/22
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