寺田寅彦全集 第二巻 随筆
寺田寅彦全集 第二巻 随筆 / 感想・レビュー
Kaorie
誰もが抱くけれど、深く考えもしない疑問を、分かりやすく分析し、分かりやすく短い文章で書く。科学というのはこういう小さな疑問から始まるのだろうなと思う。寺田さんが学生時代に科学の先生だったら、間違いなく科学好きになってたいただろうな。寺田さんの飼っていた猫の話もほのぼのしていて面白かった。
2013/05/15
nrm
『茶碗の湯』を薦められて読んだ。茶碗から立ち上る湯気が積乱雲になり低気圧になっていく様子をまざまざと見せられた。他にも、冬に凍る窓の凍りかたや朝顔を洗う時に洗面器とコップの水の共鳴、さらには火の玉や怪異の科学的な考察などなど、日常にあるちょっとしたことが、科学研究の端緒になることが、よくわかる。(科学論の面は素人なのでわからないが)80年以上も前に書かれた随筆だけどいま読んでもすごく新鮮に感じる。
2010/03/22
Ted
'97年1月刊。○テーマは「自然」。「茶碗の湯」「鳶と油揚げ」「電車の混雑について」などの有名な随筆を所収。「鳶と油揚げ」では巻末の解説で、動物学者の日高敏隆に問合せたところ、鳥の目は特殊な構造を持っているため、嗅覚ではなく視覚で捉えているという否定的な見解を述べているが本当だろうか?詳細までは書かれていないので何とも言えないが、鳶が主に動物の死骸を餌にしている点や輪を描くように飛んでいる点、また動物学ではなく物理学的アプローチから考えると寅彦の推論の方が正しいように思うのだが。
2019/08/13
いちはじめ
この巻では、僕が寺田寅彦を好きになるきっかけとなった「電車の混雑について」などが収録。日常に潜む謎に注意を向けさせ、科学する心とはどういうものか教えてくれる気がする
2010/01/17
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