随筆 六――科学2 (新版 寺田寅彦全集 第I期 第6巻)
随筆 六――科学2 (新版 寺田寅彦全集 第I期 第6巻) / 感想・レビュー
Kaorie
夏目先生は寺田さんに一体何を教えていたのかと、言語関連の随筆を読んでいて思った。私自身、曲がりなりにも英語を学び、スウェーデン語なども齧ってはいるが、冗談みたいだけれど寺田さんは至って真面目に書いている「言葉の不思議」を読んで1からやり直したいと思った。寺田さんの柔らかな語り口で書かれた「夕凪と夕風」は、寺田さんの故郷高知の自然と風景を美しく著した秀作。
2013/12/28
黒豆
瀬戸内海の潮流から始まり地震、縞模様、金平糖など、大正昭和初期の著作、地震予知の難しさは今も昔も変わらずか!興味深かったのは、リアルタイムのアインシュタインの話、岡田武松編での気象学の発達や観測の歴史、最後に日本の風土に紐付いた八百万の神、仏教の根底にある無常観が日本人のおのずからな自然観と相調和した。温暖かつ季節感のある多様な気候風土が天体物理などの真理探究にマイナスに影響など面白い視点。
2016/02/18
ひろただでござる
専門分野をとことん追求する人は必要だけれども色んなことに目を向けられる人も同じように必要だと思う。でも、こんなにも文章が上手(m(_ _)m)でわかりやすく表現できる科学者は少ないのではないだろうか。読んでいて竹内均さんを思い出してしまった。アインシュタインの話も面白かったが寺田寅彦が幸田露伴に教えを乞う状況なんて…なんて胸熱なんやろ。
2016/12/30
いちはじめ
「……と思われる」という文章が多いきがする。そういうはっきり断定しない慎重な態度こそが、科学的思考そのものなのかもしれないな
2010/04/25
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