少年の魔法のつのぶえ (岩波少年文庫 49)
少年の魔法のつのぶえ (岩波少年文庫 49) / 感想・レビュー
ぱせり
わらべ歌はいいな。そこに暮らす人たちの顔がぼうっと浮かび上がってくる。生活が見えてくる。そして、自分の足元の暮らしもまた思い出す。自分の歌も思いだす。
2010/07/13
mayuri(Toli)
人々の暮らしが見えてくるようで、活き活きとした詩に、実際はメロディは判らないのに、メロディも聞こえてきそうな気になります。しかしドイツというお国柄なのか、わらべ歌だからなのか、とにかく歌の中で人や動物があっけなく死んでしまうのには驚かされます。しかし、それも中世のドイツならではと納得してしまいました。第二部、愛の歌物語の歌は、さすがロマン派と言われる時代を築き上げたドイツの歌らしく、非常に甘美でロマンチックです。子どもが読んでも、大人が読んでも面白い一冊だと思います。また、装画の切り絵が絶品です。
2016/04/15
yuki
とてもむずかしい。外国人が日本のわらべ歌を聞いても意味がわからないように、僕にはちょっと読んで意味がわかるものではなかった。あとがきで詩人のハイネの引用があってドイツ国民の心臓が感じられるとこの詩集を称賛していた。この本を理解出来ればドイツ人の心の奥深いところに触れることができるのかもしれない。
2022/05/01
えふのらん
聖人は魚に説教し鐘はりんらんと鳴り響く。恋人に会うために鳥になりたいと願う女の子がいれば、界面を隔て引き裂かれた男女がいる。人生の虚無を歌ったものもあるのでドイツのマザーグースと言われるのも分かるが、聖書や動物がモチーフになっているのは、やはりロマン主義の国。絶望はあってもその先に神や天使が待っいて、その辺もイギリスとの違いを感じさせる。グリム童話とあわせて読んでおきたい一冊。
2021/07/24
月音
読んでいて、次の歌に「あれ?」となった。「めえめえ子やぎ/森の中へかけてった/そしたら石につまずいて/あんよをぶっつけた/そこで子やぎはめえ!となく」──これって、日本の童謡『めえめえこやぎ』だ!調べてみると、日本のはドイツ文学者の方の作詞。…つまり、丸写ししちゃったみたい。夫の雄鶏を亡くした妻が他の動物たちと葬式をするが泥沼にはまって死に、夫は鶏頭(けいとう)、狐は狐尾草(えのころぐさ)、虎は虎杖(いたどり)にと、墓標ならぬ草ぼうぼうに。⇒続
2024/10/19
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