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カーディとお姫さまの物語 (岩波少年文庫 109)

カーディとお姫さまの物語 (岩波少年文庫 109)

カーディとお姫さまの物語 (岩波少年文庫 109)

作家
ジョージ・マクドナルド
竹宮恵子
George MacDonald
脇明子
出版社
岩波書店
発売日
2003-12-16
ISBN
9784001141092
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カーディとお姫さまの物語 (岩波少年文庫 109) / 感想・レビュー

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アナーキー靴下

『お姫さまとゴブリンの物語』の続編。前作から一年後、カーディ中心の本作は、現実世界に目を向けた様相である。宗教的とも感じる崇高な精神の物語だが、哲学や社会倫理、さらにはアニミズム的な自然との関係、そうした多種で豊潤な思索が形をなし、宗教よりもっと根源的な核に触れるようだ。何より、理念ではなく実践を重んじる点は、一宗教の枠組みに囚われない実直さがある。結末に対しての訳者あとがきは胸に迫るが、白い鳩やカーディの手によってもたらされた結びの前半は、アイリーン女王の特別な計らい、エクストラステージにさえ思える。

2022/06/07

たつや

作者が竹宮恵子さんを知ってたことに驚きましたが、「お姫様とゴブリンの物語」の続編と言うことですが、ちょっと、前作とは趣が違う印象で戸惑う。ラストは欲に目が眩むとこうなるよ、と言う教訓でしょうかね?すごいラストでした。

2017/04/13

地の文の丁寧語や、軽やかにご都合主義で済ませる細部はお伽噺のよう。けれど肉屋の犬達に対する仕打ちの残酷さ、召使い達を追い立てる執拗さには冷水を浴びせられたよう。前作での白眉たる老いた姫の神秘は中盤ではすっかり鳴りを潜め、実際的な少年カーディのシンプルな冒険譚となるも、終盤では華麗な転覆に目を覚まされる。時折覗く説教臭さは、病んだ王が幼児とのふれあいから回復に向かうさまと同じに、読み手の子ども達への作者の思い入れか。哲学がかった物言いや詩的な表現も同じく。お伽噺への回帰を一歩外したラストも印象的。

2018/06/24

おはなし会 芽ぶっく 

『お姫さまとゴブリンの物語』の続編。敵対勢力が人間だったせいなのか、ファンタジー?という感じでした。お姫さまは中盤すぎから出てくるのですが、行動的ではなかったです。この本の挿絵が(前巻も)竹宮恵子さんだったので惹かれましたが、ちょっと消化不良でした。ラストのすごさで帳消しですけどね。

2020/01/06

北風

いつまでも覚えているのは、カーディとお姫さまが再会するシーンと、最後の結末。なんでだろうと思ったが、読み返してみると、確かに前半はかなり説教くさい(苦笑)。後書きにも書かれているが、どうやらマクドナルド自身にいろいろなことがあった様子。当時イギリスは経済の急成長を迎えていたようです。んー、確かに前作との違いを考えるに、相当時代錯誤を感じていたのかもしれないなあ。

2015/09/11

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