みどりの小鳥――イタリア民話選 (岩波少年文庫)
みどりの小鳥――イタリア民話選 (岩波少年文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
これは岩波文庫に収められている、カルヴィーノの岩波文庫から上下で出ている「イタリア民話集」の中からいくつかを選んだものです。比較的子供向けのものが多く楽しめます。結構ブラックな感じのものや、グリム童話に出てきたような感じのものもあります。それぞれ採話された地域も書かれていて参考になります。岩波文庫も再読しようと思う気になりました。
2015/08/18
NAO
【2021年色に繋がる本読書会】【月イチテーマ イロ】『みどりの小鳥』は、カルヴィーノの作品が持つ寓話的要素に注目したトリノの出版社に要請されて編集した『イタリア民話集』から子ども向けに選ばれた34編の民話集。表題の「みどりの小鳥」は、二人の姉の末娘いじめ、子捨て、宝を取りに行く、いいつけを守らず石にされる、人間でなくなった兄たちを末の妹が助けるなど、民話によくあるモチーフがいくつも重った話。みどりの小鳥は、その言葉に反応して言葉を発すると石になるという悪の面と、真実を告げるという善の面をもつ異色の存在。
2021/03/29
たつや
イタリアの民話ということですが、全て初読で楽しかったです。「おかしな話」のように、ジャンル分けされてますが、個人的には「少し悲しい話」が良かったです。また、読んでみたいし、アニメ化してほしいお話多数でした。
2017/02/25
バニラ風味
カルヴィーノがイタリアの民話資料を集めた中から選りすぐった作品集、だそうです。「小さな子どものための話」「女の子のための話」「恐ろしい話」「おかしな話」「少し悲しい話」「りこう者が勝つ話」のお話が収められています。タイトルの「みどりの小鳥」は少し悲しいお話。姉の妬みから、あるぬ疑いをかけられて辛い生活を送る王妃。最後がハッピーエンドでほんとに良かった。
2017/10/13
あたびー
#日本怪奇幻想読者クラブ ひと口で言うと「カルヴィーノによるイタリアのグリム」。とは言えカルヴィーノがフィールドワークをして収集したのではなく、先人の文献をつぶさに調べ体系立てて再構築したものを、本書では子供向けの読みやすい読み物に直しているという事だ。グリムや他の欧州の民話と同じ筋もあり、イタリア風に発酵しているものもあり、とても楽しめる。「こぶとり」によく似た話は先日からケルト、ブルターニュなどでも読んで、背中のこぶとほほのこぶ、鬼と魔女や妖精は違ってもほぼ似た筋立てと言うのは本当に興味深い。
2020/05/26
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