台所のおと みそっかす (岩波少年文庫 564)
台所のおと みそっかす (岩波少年文庫 564) / 感想・レビュー
千穂
作者幸田文さんのお孫さんである青木奈緒さん編による作品。図書館YAコーナーにて。短編ありエッセイあり。なかなかのボリュームがありました。表題作台所のおとは年の離れた旦那さんが病床から奥さんの台所で立てる音に耳を傾ける。深い感覚。ネコちゃんが登場するあじの目玉が好きだな。父幸田露伴の思い出を綴ったみそっかすも興味深かった。
2018/01/17
たつや
古き良き日本が、ここにある。幸田文の世界は良きビタミン剤かも?
2017/01/22
朝比奈さん
幸田露伴て細かい人だったのね(違)学生時代に現国のテストで読んだことがあるものがいっぱい。台所の、私の音は旦那くんにどんな風に聞こえてるのかなあ。
2014/10/29
ほう
時々ふっと幸田文さんの文章を読みたくなる。かっちりとしたやや硬い文章のなかに、一本筋の通った揺らがない精神を感じるからかもしれない。調べないとわからないような言葉も出てくるが、編集がお孫さんの青木奈緒さんである事もあって、本書はわりと読みやすい作品が集められている。「三人のじいさん」が良かった。
2021/05/18
maverick, or stranger. still an outsider.
随筆、エッセイそれから小説、露伴との想い出(回想)の三部構成になっています。文章自体に魅力があって、気品の中にもユーモアがちりばめられている、とても素敵な作品集でした。中でも『都会の静脈』『あじの目だま』がとても良かった。表題作『台所のおと』は、妻が立てる“音”の違いから、心模様を推察してしまう夫。その体を気遣いなんとかそれを気付かれんと努力する妻。愛である。最終章の露伴と文の空襲の最中の対峙はどちらも相手を守らんとするギリギリの攻防が息をのむ。
2013/05/03
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