影との戦い: ゲド戦記 1 (岩波少年文庫 588 ゲド戦記 1)
影との戦い: ゲド戦記 1 (岩波少年文庫 588 ゲド戦記 1) / 感想・レビュー
absinthe
宮崎駿さんが映画化希望した作品?と思って読んだ。良い話だった。主人公と一緒に風変わりな世界をどこまでも冒険できる。世界観がしっかりして、どの魔法も闇がある。世界で生きるとは闇と対立するだけでなく受け入れなくては駄目なのだ。影との戦いは自分との戦いでもある。若気の至りから悟り、大人への成長に。類似で言うと『ナウシカ』より『スターウォーズ』の方に意識が行ってしまった。
2023/06/21
新地学@児童書病発動中
歴史に残るファンタジーの名作。魔法使いを目指すゲドは、友人との諍いにより、自分の影を呼び出してしまい、深い傷を負う。影は不気味な存在で、ゲドの命を脅かすようになる。彼は影から逃げようとするのだが、ある時に自分の影と正面から闘うことを決意する。『モモ』や『星の王子さま』といった他の優れたファンタジーと同じように読者の生き方を変えうる力を持った作品だ。子供向きの本だが、むしろ大人が読むべき作品で、自分の生き方を見直すきっかけになるかもしれない。どんな人でも、目を背けたくなるような一面を自分の中に持っている。→
2018/02/04
アキ
2018年89歳で亡くなったル=グウィンのファンタジー作品。原題「A WIZARD OF EARTHSEA」1968.ジブリの同名映画を見てイマイチピンと来ず、岩波少年文庫で原作に触れてみた。ゲド=ハイタカはヒスイに魔法の力を見せつけるため死霊を呼び出し逆に自分が傷ついてしまう。影に怯えて逃げまどうゲドにオジオンは向きなおるよう指導する。狩人となったゲドはカラスノエンドウと共に荒波の海へ船を漕ぎだす。光と闇は溶け合いひとつとなった。ル=グウィンの確かな筆力。3巻までが第一部。18年後に4巻が出版される。
2020/07/11
Gotoran
河合著書に押されて。魔法、ファンタジー、成長譚。傲慢で自己中心的だった少年が痛い思いをして成長していく。あまりにも大きな魔法の力を持つがゆえに、自分の虚栄心、心の弱さから創り出してしまった影と対峙することになった主人公のゲド。彼を取り巻く魅力的な登場人物たちーゲドにまじないの手ほどきをした伯母、最初の魔法の師のオジオン、無二の親友カラスのエンドウ、ローク学園の賢者たち。影との戦いー追われるものから追うものになること、逃げずに向き合うことー世界の均衡、光と闇、自分の闇と向き合うこと、闇と共に生きること。
2020/01/27
はじめさん
2019年10月22日(火・祝)瀬戸内国際芸術祭で賑わう香川県高松市にて「影との戦い」読書会を開催します。おだやかな海洋に無数の島々が浮かぶアースシー世界は瀬戸内海に通ずるものがあるかもしれません。 https://bookmeter.com/events/6759
2017/03/08
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