ベルリン1919 赤い水兵(上) (岩波少年文庫)
ベルリン1919 赤い水兵(上) (岩波少年文庫) / 感想・レビュー
NAO
第一次世界大戦終戦前後のベルリンを子どもの視線で描いている。革命へと向かう緊迫感、生活苦などが生々しく描かれ、児童向けの作品なのにかなり難しく厳しい内容。
2024/09/25
ヘラジカ
詳細な感想は追って下巻に。前々から気になっていた作品だが、まさか岩波少年文庫のラインナップに入るとは。単行本の表紙からなんとなく『人生と運命』級の重い大作と勘違いして尻込みしていた。ちなみに原書改訂により邦訳も手直しが入っているらしい。
2020/02/16
kawa
第一次大戦終了直後のベルリンにおける社会革命運動の様子を描く。この内容で、中学生対象児童書の範疇にするドイツの事情に驚く。内容は非常に興味深いのだが、児童書故か、平板な描き方の展開が続きページを捲るのに苦戦。下巻の展開を期待。
2022/02/19
特盛
評価は下巻後。ベルリン3部作として、WW1終了前後の1919、ヒトラーが政権を取るタイミングの1933、WW2の最終局面のベルリンの社会を描く作品。皇帝を追い出して、ワイマール共和国建国をシャイデマンが建国宣言したとあっさり記憶していたが、その裏にこんなドラマがあったとは。戦火の苦しい生活や革命後の血の闘争がリアリティでもって子供の純粋な目を通し語られる。歴史は細かい話を全て捨象するが、生きるとは細かい混沌のうちにあることだ。自分は改めてなんて幸せな時代を生きているのか、彼我の違いは偶然性だけだなと思った
2024/03/12
しゃん
ドイツ革命(11月革命)というものを全く知らなかった。舞台は第一次世界大戦下でのベルリン。主人公は、ゲープハルト家の息子のヘレ13歳。戦争で片腕を失って父親が復員するあたりから物語が始まる。客観的に淡々と歴史がつづられるのではなく、ヘレの目線で当時の世相や事件が語られるだけに、描写が生き生きとしている。それにしても、ゲープハルト家とその周りの人たちの貧困と寒さは厳しい。また、親の思想や生活の違いで子供たちの友情にひびが入るあたりが痛々しい。
2020/09/14
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