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ベルリン1933 壁を背にして (上) (岩波少年文庫)

ベルリン1933 壁を背にして (上) (岩波少年文庫)

ベルリン1933 壁を背にして (上) (岩波少年文庫)

作家
クラウス・コルドン
酒寄進一
出版社
岩波書店
発売日
2020-04-17
ISBN
9784001146233
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ベルリン1933 壁を背にして (上) (岩波少年文庫) / 感想・レビュー

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しゃん

1932年、世界恐慌の影響でベルリンも失業者があふれる。この1933年の巻は、1919年の巻でまだ病弱の赤ちゃんだったハンスぼうやが主人公。彼は学校を出てすぐに総合電機会社の倉庫で働きだすが、そこでさまざまな洗礼を受ける。彼の家族、アパート、職場、街路のさまざまなところでナチスが徐々に忍び寄り、不穏な空気に包まれていく。そんな中でのハンスとミーチェとの恋の行方が気に懸かる。下巻に進もう。

2020/09/23

ケイトKATE

『ベルリン三部作』第二部。タイトルである1933年は、ヒトラーが首相となり権力を握った年である。ヒトラー関連の本を読んで、この時期のドイツの混乱ぶりを知っていたが、ナチス突撃隊の横暴ぶりや、共産党と社会民主党のいがみ合いが本書でも生々しく書かれている。正直、歴史の事実を知っているから共産党を支持していたゲープハルト家の人々が、ナチスの弾圧に巻き込まれることは読んでいて予想はできていたが、コルドンが描く当時の状況や登場人物の描写は、臨場感と痛みを感じながらも一気に読ませる力がある。(感想は下巻に続く)

2020/04/29

ぐみべあ

第一次大戦の賠償金を抱え、貧困に喘ぐドイツ。その状況を巧みに利用し台頭するヒトラー。目指すものは似ているはずなのに手を組めない共産党と社会民主党を尻目に、ナチはどんどん勢力を拡大していく。十五歳の主人公ハンスの友人、家族の中でも政治的立場が分かれ、決裂が生じる。仲良く支え合って生きてきたはずの兄弟や友人がいつの間にかナチに属していたらシャックだろうなあ… このシリーズおもしろいけど、主人公や主体的に動くキャラクターは全部男性なのが残念。主人公はユダヤ人の女の子に恋をして、その子を救う騎士になる的なね…

2020/10/10

遠い日

15歳になったハンスが主人公。どうにかAEGの倉庫で働くことが決まった。社会民主党とドイツ共産党の反目は終わらず、その間隙を縫ってヒトラー率いるナチ党が台頭する。ハンス自身はそれほど政治的問題に傾倒しているわけではないが、姉のマルタがナチ党員を彼氏としたために、家族間の齟齬が顕著になり、不穏な空気が満ちている。ハンスはミーツェという女の子に惹かれ、おずおずとした交際が始まった。だが、ミーツェはユダヤの血を引いており、物語の展開にも関係するのかもしれない。下巻へ急ごう。

2022/03/15

アメヲトコ

ベルリン3部作の第2部。1933年とはヒトラーが首相に就任して独裁を始める年。上巻はその前年から始まります。主人公は成長したハンス、社会民主党と共産党が互いを攻撃しあう中で、第3勢力としてのナチ党がじわじわと影響力を拡大してきて、それはハンスの周辺の人たちにも及びます。ナチ党に染まってしまったある登場人物、何者でもないコンプレックスを抱えていた彼がヒトラーの強い言葉に万能感を得てしまうくだりなどは、現代の陰謀論者を見るようできつい。

2024/09/28

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