ウィル・グレイソン、ウィル・グレイソン (STAMP BOOKS)
ウィル・グレイソン、ウィル・グレイソン (STAMP BOOKS) / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
「実は物語の真の主役は彼なのではないか?」と思えるくらい強烈な個性の持ち主、タイニー・クーパー。彼は一人目のウィル・グレイソンの友人だ。裕福な家の生まれで、高級車を乗り回し、しょっちゅう恋をしては別れている。学校で自分を主役に据えたミュージカルを立ちあげる彼は、社会の偏見からも自由であるかのように見えたが、実はそうではないことが、二人目のウィルとの出会いで明らかになる。恋の戸惑い、失敗、喜びは、ヘテロセクシャル、ホモセクシャルを問わず共通だ。けれど一方はおおっぴらにできてもう一方は隠さなければならない。
2017/04/21
ケロリーヌ@ベルばら同盟
シカゴの高校生、同じ名前の二人の少年が交互に物語る。奇数章の主人公は破天荒な親友に振り回されてばかりの、生真面目で内向的なウィル・グレイソン。偶数章の語り手は、ネットで知り合った男の子に恋する根暗なウィル・グレイソン。二人が、ある夜シカゴのダウンタウンで奇跡的な出会いをしたことから、疾風怒濤?のロマンスが始まる。物語を牽引するのはウィル①の親友、タイニーだ。アメフト部の花形で、ゲイの彼は、自身の半生をミュージカルに仕立て、上演する計画に打ち込み、ウィルたちを巻き込んで行く。明るくほろ苦い青春グラフィティ。
2023/06/21
mntmt
悩ましい恋の話なのに、元気溌剌としている。湿っぽくないところが良かった。
2017/06/02
seacalf
ジョン・グリーンの翻訳されている前3作は、すべて大好き。全幅の信頼を置いているので、LGBTものだろうが共作ものだろうが躊躇せずに読む。やはり今回もうまいこと。思春期特有のこんがらがった心情を爽やかに描く。少々ポップな仕上がりだけど、ピュアな分だけ痛々しい程こじれまくっている若者たちを描くには丁度よかったかもしれない。個性際立つタイニーはもちろんキュートだったけれど、ウィル同様やはりジェーンに惹かれる。そんな風に普段は気にも留めてないヘテロセクシャルな自分を自覚するという稀な読書体験でもあった。
2017/06/15
タカギ
ポルノショップで偶然出会った2人のウィル・グレイソン。2人の作家がそれぞれのウィルを一人称で章ごとに描く形式を採っている。両方ともすごく面倒くさいタイプ。片方のウィルはゲイで、もう片方のウィルの親友もゲイ。この親友のゲイのタイニーがとても大らかでいい子。かわいい女の子のジェニーもいい子。ネットで知り合って好きになるって、よくある話ではあるけど、日本の小説よりリアルな感じがした。アメリカのYAは家族が普通に出てくるのが日本とは若干違うかな。ミュージカルのシーンが良かった。
2020/04/06
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