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二つの憲法――大日本帝国憲法と日本国憲法 (岩波ブックレット)

二つの憲法――大日本帝国憲法と日本国憲法 (岩波ブックレット)

二つの憲法――大日本帝国憲法と日本国憲法 (岩波ブックレット)

作家
井上ひさし
出版社
岩波書店
発売日
2011-06-08
ISBN
9784002708126
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二つの憲法――大日本帝国憲法と日本国憲法 (岩波ブックレット) / 感想・レビュー

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モリー

この本は、私の憲法観に変化を生じさせました。これまでの私は、憲法とは何ぞやと深く考える事もせず、国毎に定められた最高法規が憲法なのだろうという程度にしか考えていませんでした。言い換えれば、国毎に定められた最高の取り決めが憲法だというイメージです。しかし、そうではないのだと今では思います。憲法とは、人類が多年に渡る不断の努力によって獲得したものであり、ある意味人類共通の成果なのだと理解しました。憲法論議には、少なくともこのような共通理解が無ければならないと私は思います。

2020/09/14

がんぞ

帝国憲法の「天皇ハ神聖ニシテ冒スベガラズ」だが、維新の志士の研究した万国公法には「君主無懲罰」(敗戦で他国に我が王が裁かれるのは耐え難い=戦争終結の機会を失う)があり、その国際常識を条文化だろう。国家には神話があろうに天皇親政を「オウム真理教並」と蔑み、起草者伊藤博文はp18「まったく新しいことを考えていたのではないか」(軍と天皇の一致?)と脅かす。後半、マッカーサーが極東委員会(ソ連含む)の意の及ばないうちに新憲法をでっち上げたかった経緯が語られるが、昭和天皇断罪のみならず天皇制を廃止したい左翼的視点

2014/10/20

coolflat

日本国憲法を知る上で入り口となる本である。イギリスの名誉革命、権利章典、アメリカ成文憲法の成立、フランス革命、人権宣言、その全体が憲法の意味であるということ。特に、人権宣言の第16条が大事で、近代憲法には、国民の権利の保障と権力の分立の確保が明記されていなければならないとのこと。それから、伊東博文は、大日本帝国憲法を作る上で、ヨーロッパでは宗教が憲法の機軸になっているが、日本には機軸となるものがない。だから天皇を機軸にしたのだと。

2013/05/28

生ハム

不易流行。今も昔も、大切なことはあまり変わらないはず。改憲しにくい日本のシステム、そして日本国憲法は良くできていると思いました。単純な比較本というよりは、「ほらやっぱり、今の日本国憲法素晴らしいっしょ!」ということを言いたがっている本でした。主権者が暴走しないようにあらかじめ憲法で枠を決めておく、という考え方は本当にいいね。腑に落ちます。とはいえ、今後どんな動きになるんでしょうなぁ。自衛隊がある今、時代とともに問題点が生まれる類いではない気がするけれど。平和ボケすぎる?

2012/10/26

ユーコ

さすが「むずかしいことをやさしく」の井上ひさし。やさしい語り口なのだけど、たいへんためになった。私も、日本国憲法は多大な犠牲の上に成り立つ人類の共有財産だと思っている。自主憲法だとか言って、自国民の権利を制限してりゃ世話ないや。

2013/05/09

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