武家義理物語 (岩波文庫 黄 204-8)
武家義理物語 (岩波文庫 黄 204-8) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
それまでは主として「好色もの」を書いていた西鶴が『武道伝来記』に続いて上梓した「武家もの」。全27話の小品からなる作品集。すべて主人公は武士であり、武家社会の様々な様態を描く。町人の西鶴からの視点だが、そこには武士への憧憬や尊崇もなければ、逆に揶揄するといった姿勢も見られない。あくまでも客観的に描くことに主眼があったのだろう。主題の上からは、武家ものに相応しく敵討ちや衆道を扱ったものが多いか。また、「武士の一分」を立てるがための悲劇など、武士の生き難さを描いてもいる。なお、巻1の1「我物ゆへの裸川」は⇒
2022/10/22
壱萬参仟縁
挿絵、ルビ、脚注、補注、解説がある。ホモとかゲイは、「衆道(しゅどう)の友」(19頁)ということらしい。本書は音読してみる箇所もいくつかある。その方が、当時の時代背景を把握できそうな感じがするため。国道21号とか国道1号のように、中仙道の各所の地名も出てくる。
2013/12/13
感想・レビューをもっと見る