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五重塔 (岩波文庫 緑 12-1)

五重塔 (岩波文庫 緑 12-1)

五重塔 (岩波文庫 緑 12-1)

作家
幸田露伴
出版社
岩波書店
発売日
1994-12-16
ISBN
9784003101216
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五重塔 (岩波文庫 緑 12-1) / 感想・レビュー

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ehirano1

源太親分の全てを超越する器が凄すぎて、感動すら覚えました。こんな親分と一緒に仕事がしたいです。

2021/08/22

Kajitt22

冒頭、親方棟梁の勝気な女房を描写する文章は、歌舞伎の一場面のようで引き込まれる。その棟梁源太と、人間関係に疎いが、一本気で腕に自信のある大工、のっそり十兵衛の物語だが、著者はそれを表す日本語にこそ重きを置いているようだ。喧嘩仲裁の場面、五重塔を襲う嵐の場面、読みにくさはあるがリズムよく展開してゆく臨場感ある日本語は、日本近代文学の頂点のひとつであるのかもしれない。

2018/06/20

びす男

人に馬鹿にされながらも「五重塔を建てる」という目標に向かって突き進む職人の一途さが心地よい。上人から話された逸話を理解し、二人の職人がその道を譲りあう姿もすがすがしくて好きだった。「強いばかりが男児ではないなあ、じっと堪忍して弱くなるのも男児だ」。薄い一冊だが古い日本語で書かれていたため、頭を使って読むいい訓練にもなった。岩波にも少しずつ手を広げていけたらいい。

2017/05/24

NAO

再読。大工としては並大抵ではない技量をっていながら、小才が利かないために、大工仲間からも蔑まれ「のっそり十兵衛」と呼ばれている十兵衛の五重塔建立へのいちずな思い。他人の指図を受けて働く『寄生木』になることを嫌い、自分の仕事に『寄生木』を受け入れるのも嫌う十兵衛の姿勢は、偏狭の極みだ。十兵衛の一種異様なこだわりは、かえって親方である源太の江戸っ子らしい男っぷりを際立たせ、あくまで自分を「いなせな男」として通すことにこだわり続ける源太を十兵衛の魔性の対極に置く見事さ。最後の上人の言葉もあっぱれだ。

2019/04/17

nakanaka

原文は非常に読みづらいのでググりつつの読書。確かな腕はあるもののその性格から「のっそり」と蔑称で呼ばれている十兵衛が一念発起し谷中感応寺の五重塔を建てるという話。途中、日頃より世話になっている源太とどちらが五重塔を建てるかで揉めるものの源太が譲るかたちになる。この際の源太は一見主役である十兵衛の敵のようにも見えるが彼の器の大きさが分かる。この成功で極貧生活だった十兵衛がどう変わったのかも気になるところ。モデルとなった天王寺の五重塔が現存していないのは非常に残念。しかも放火心中で焼失してしまうなんて…。

2020/10/11

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