幻談・観画談 他三篇 (岩波文庫 緑 12-8)
幻談・観画談 他三篇 (岩波文庫 緑 12-8) / 感想・レビュー
康功
自分の幼少期を過ごしたところを舞台にしている有名小説を探していたところ、露伴の『蘆声』に辿り着いた。初めて読んだ昔の難しそうな作家、露伴は、見識の広さとユーモア、ミステリアス&シニカルなところを持った凄い作家であった。文豪の中では珍しく、一つ一つの作品や題材が非常に多岐に渡り、美しい日本語を使いこなしている。『幻談』『観画談』『骨董』『魔法修行者』『蘆声』どれも、甲乙つけがたい。読後感は、USJに行った後の感覚である。
2016/10/24
ハイカラ
『観画談』『蘆声』が好き。
2016/09/06
miroku
エッセイともつかず小説ともつかず、露伴翁の語り口の妙なるに耽溺するのみ。自分もまた、かく語りたいものである。
2017/10/14
藤月はな(灯れ松明の火)
「幻談」は怪談調になっていてすごく、嬉しいです^^他の作品にも幸田露伴氏の博学ぶりと軽妙な語りを使い、それを短編という形態で分かりやすくする技法が素晴らしいです。
2011/11/02
瓜坊
晩年の短編集。露伴の語り口は高みの見物のようでいて、衒学的な嫌味さもなく、優しく愛情に溢れている。余裕からの泰然さと強さ。名人の境地は文体にも現れて、小説という殻が抜けて講談のような、書き言葉と語りの渾然一体となった文章の極地。私は釣りが趣味だからというのもあるけど『幻談』は何度読んだか、というほど好き。落語「野晒し」でも解るが釣りは、これほど死を観念的に感じるものはない行為であって、その感覚を言葉にすると幻談以上のものはない。もっとも小説らしい『観画談』の重層的な時間感覚もたまらない。
2017/02/02
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