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連環記 他一篇 (岩波文庫) (岩波文庫 緑 12-9)

連環記 他一篇 (岩波文庫) (岩波文庫 緑 12-9)

連環記 他一篇 (岩波文庫) (岩波文庫 緑 12-9)

作家
幸田露伴
出版社
岩波書店
発売日
1991-02-18
ISBN
9784003101292
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連環記 他一篇 (岩波文庫) (岩波文庫 緑 12-9) / 感想・レビュー

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S.Mori

今年も終わろうとしている時に凄い作品を読めて嬉しかったです。「連環記」は日本の文学の最高傑作の一つではないかと思います。「慾を捨て道に志すに至る人というものは、多くは人生の磋躓にあったり、失敗窮困に陥ったりして、そして一旦開悟して頭こうべを回めぐらして今まで歩を進めた路とは反対の路へ歩むものであるが、保胤には然様そうした機縁があって、それから転向したとは見えない」(46ページより)のような漢文の素養を感じさせる格調高い文体に圧倒されます。明治の人達の教養の高さを感じました。物語自体も面白いです。→

2019/12/29

弥勒

プラクチリでの恋の二面性ー破壊と建設ー。これが個人から終いには一国までをも破壊しうるものとしてあったのには納得してしまった。また、表題作の連環記では道心もとより備わりし慶滋保胤(のちの寂心)のもとへ、愛しき後妻を失ってのち世の無常を悟った大江定基は身を寄せ、仏門に帰依する。人の世における無常は美しく儚くもあり、悲しく辛くもある。かかる悟りを開いたら私も厭離穢土・欣求浄土を掲げる仏教に帰依するようになるのだろうかと、他人事でなく読んだ。幸田露伴の文学がたどり着いた頂はやはり伊達ではなかった。

2015/08/07

元気伊勢子

初読み。とても難しかった。歯応えのあるものを噛んでいるような感じ。リズム感がとても良い。こういうのを読めるようになるのも慣れが必要なのかもね。

2021/06/19

うちこ

この本に収録されている「プラクリチ」の感想です。めちゃくちゃおもしろい短編の恋物語。落語のように展開しますが元ネタは仏教のエピソード。これはインドのお話で、タイトルは女性の名前です。ほかにもマハープラジャーパチという人が登場します。このかたも女性で、お釈迦様の養母のおばさま。今ふうの綴りではプラクリティとマハープラジャーパティですが、幸田露伴の時代はプラクリチ。かわいい…。 ロイヤルミルクチ、ロマネコンチ、ハローキチ・・・昔の人はこんな発音をしていたのかな。かわいいなぁ。

2019/04/13

hazama

凄く面白い。ジャンル分けなんか出来ないし、ツボも説明しにくいが一気に読める。賀茂保胤(陰陽師・賀茂保憲の弟)が主で取っつきはいい。牛を見て泣ける人。同時収録の釈迦の弟子アーナンダの巻き込まれた「プラクリチ」も深くあるはずなのだが楽しい。

2010/09/29

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