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金色夜叉(下) (岩波文庫 緑 14-2)

金色夜叉(下) (岩波文庫 緑 14-2)

金色夜叉(下) (岩波文庫 緑 14-2)

作家
尾崎紅葉
出版社
岩波書店
発売日
2003-05-16
ISBN
9784003101421
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金色夜叉(下) (岩波文庫 緑 14-2) / 感想・レビュー

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みっぴー

未完です。下巻に入ってからは常にクライマックス状態です。金満家の嫁となって何不自由なく暮らす宮ですが、貫一を裏切ったことが忘れられず精神はボロボロに。意を決して貫一に許しを請おうと彼の元へ向かいますが、泥仕合必至。「私を殺してください!」「自分で死ね!」のくだりは、思わず噴きました。作者の構想によれば貫一は義に目覚めるらしいのですが、貫一はダークサイドに堕ちたからこそ存在意義がある男だと思います。熱海に行く機会があったら足蹴像を見てみたいです。

2016/06/19

SIGERU

成程これが、満都の紅涙を搾った、明治文学に冠たる人気小説か。全篇を読み終えて、衷心から納得した。作風の旧套は否めないものの、慥かに面白い。歴史的興味が半ばの読書だったにもかかわらず、満足感は高かった。 下巻には、続篇、続続篇、作者の死によって中絶した新続篇までが収められている。 そして、続篇に於いては、ついに因縁の対決が実現する。貫一に秋波を送り続けた美人高利貸の満枝と、金満家に嫁いだ自分の過ちを深く悔いたお宮との、壮絶な対決が。美女同士が嫉妬をむき出しに、龍虎相搏つが如くの修羅場には、ただ駭かされた。

2021/12/07

零水亭

泉鏡花先生の師匠、尾崎紅葉先生の作品。「カラーアトラス 明治の古典」であらすじをおさえていたとはいえ、こんなにもテンポ良く、こんなにも感情移入できる作品とは思いませんでした。特に、①荒尾譲介の気持ちのいい言行に感動しました。②「続続」での那須塩原の風景描写もお見事! 紅葉先生が若くして胃癌で逝去されたため、残念ながら未完の作品となってしまいましたが、紅葉門下の小栗風葉氏による完結編(『終編金色夜叉』)があるそうで、そちらもよんでみたくなりました。

2024/01/03

ハチアカデミー

A 日本近代文学史上、最も毀誉褒貶の激しい作品。当代のきってのベストセラーであり、特に女性に好まれた故、批評家という男たちはこぞって批判をする。自然主義小説、私小説が主流となった文壇に置いては、作り物で前近代の作品と相手にされなかった。しかしである。そのまやかしのベールを剥ぎ本文に目を通せば、堅物貫一の波乱に満ちた生涯と、それを語る饒舌なる文体に引きこまれる。頭でっかちの貫一がお宮を恨めば恨むほど、お宮が過去を悔い、後悔すればするほど、満枝が邪魔をすればするほどに。時代を感じない読みやすさも驚きである。

2012/06/04

零水亭

登場人物たちと同じ立場になったら色々キツイですが、想像していたよりも文章のテンポがよくて、惹きつけられました。

2024/01/27

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