二人女房 (岩波文庫 緑 14-8)
二人女房 (岩波文庫 緑 14-8) / 感想・レビュー
葛西狂蔵
器量の良い姉と、不器量の妹、物語の大半は目鼻秀麗な姉が玉の輿的に嫁ぎ姑に苦労する通俗的な話なのだが、姉よりその器量の劣る妹の玉の輿と云う程の事もない嫁ぎ先での顛末と相対化してオチをつける見事な娯楽小説だと云える。文学史的に尾崎紅葉に重きを置かないきらいがあるのは、この通俗性と娯楽性が純文学的ではない故じゃないだろうか?終盤の展開はにやけてしまう位面白い。大衆文学の祖先として重要かつ偉大な作家なんじゃないかな?
2017/04/13
つぐみ
美しい姉と外見はパッとしない妹。それぞれの嫁ぎ先での運命を描いた作品。時代は変われど、女性が望む結婚の条件や、嫁ぎ先での嫁姑問題は変わらないものなんだなぁ・・・と、なかなか面白く読みました。
2014/03/06
ともも
「お鮨にせうか。お蕎麥にせうか。いやいや直と飛んでお鰻にせうか。其が一番好いのだけれど。餘り増長つて熱を吹くと。叱られるに違ひない。それぢやいつそ鰻に似てゐる骨抜鰌にせうか。お刺身も好いし。蒲鉾を買つて附焼にするのも随分旨し。」蒲鉾は高級なのか。そういえば、時そばで「かまぼこ」を厚く切るだの薄く切るだのと、やっぱり「かまぼこ」は安いものじゃなかったのかな。「これも網取り魚...」「そうだってんだよ!」
2019/07/13
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