桜の実の熟する時 (岩波文庫 緑 23-7)
桜の実の熟する時 (岩波文庫 緑 23-7) / 感想・レビュー
ダイキ
「物語」として読むと自然主義文学なので単調に感じられる部分も多く、面白味に欠けますが、当時の風俗や学生の気風等を窺い知る事が出来る点や、藤村自身による自伝という点では大変興味深いです。「いつのまにか彼は目上の人達の知らない道を自分勝手に歩き出してゐるといふことに気が着いた。彼はその心持から言ひ表しがたい恐怖を感じた」道は決して未開ではない筈なのです。寧ろ開かれているが故に、間違いなく此道は進み得るのだという確信から生ずる果てなき煩悶と、その道に今現在友無くたった独り在るという現実が堪らなく恐ろしいのです。
2016/03/24
Hisashi Tokunaga
明治の人はよくよく歩いたんだね。
higomokkosu
~7/31
2009/06/01
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