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大つごもり・十三夜 他五篇 (岩波文庫 緑 25-2)

大つごもり・十三夜 他五篇 (岩波文庫 緑 25-2)

大つごもり・十三夜 他五篇 (岩波文庫 緑 25-2)

作家
樋口一葉
出版社
岩波書店
発売日
1979-02-01
ISBN
9784003102527
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大つごもり・十三夜 他五篇 (岩波文庫 緑 25-2) / 感想・レビュー

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Willie the Wildcat

夫婦、親子、姉弟、恋人など様々な関係における愛情を、時勢を踏まえた男女観で描写。涙、笑い、そして皮肉アリ。”涙”は『わかれ道』。湧き出る真情の交錯。時に交わらない時勢のもどかしさと、世知辛さの余韻が印象的。”笑”からは、直球の『この子』。赤ちゃんの笑顔、無敵でしょう!そして、”皮肉”。まずは『大つごもり』。自然に宿る神か、時勢の”軍神”(石之助)かを問う形で、日常生活における小さな願い事への祈りを大切に!と訴えている気がする。因みに、『十三夜』に登場する男女の対照的な描写もシニカル。

2019/02/21

シュラフ

樋口一葉はつ読み。はじめは句点までなかなか行きつかない長い文章、また現代においては用いない多くの言葉に悪戦苦闘しつつ読みすすめる。我慢の甲斐あり、その作品の魅力に触れることができた。タイトルの「大つごもり」「十三夜」はじめみんなよかった。この世は"憂き世"であり、生きていくことは辛く哀しい。だけどそんな"憂き世"を頑張って生きていく彼女たちはけなげであり、その生きざまには同情と共感をおぼえる。わずか1年2ヶ月の間に多くの名作を生み出したこの樋口一葉という女性作家は日本文学界における奇跡といっていいだろう。

2016/06/11

tsu55

2021年最後の日を大晦日にちなんだ小説を読んで過ごそうと思ってこの本を手に取った。「大つごもり」は一葉の作品には珍しく洒落たオチがある話なので、そのまま落語の人情噺にできるんじゃないか、誰か演ればいいのにと思いながら読み終えたが、後で調べたら既に落語になっていたようだ。圓橘師匠の噺、機会があったら聴いてみたいな。 一葉の晩年、奇跡の14か月と呼ばれる期間に書かれたものうち、表題作の「大つごもり」「十三夜」を含む7つの短編が収められている。

2022/01/04

あきあかね

 トルストイのアンナ・カレーニナは、「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである。」という一文から始まるが、樋口一葉のこの短編集も様々な形の不幸が変奏されている。 ままならない人生、一時はそれに抗おうと反旗を翻しても、結局は世間のしがらみや酷薄な運命によって絡みとられてしまう。何か大きな奇跡が起こって道が拓けるということはなく、艱難辛苦を経て25歳で夭折した一葉の透徹したリアリズムがある。 国文学者の前田愛は解説の中で、「路地裏の世界にたくわえられた⇒

2021/11/13

fseigojp

大つごもり:江戸落語の人情話のような世界 十三夜:出世に邪魔になった妻をいじめる話、あわれ

2019/07/16

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