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日本橋 (岩波文庫 緑 27-7)

日本橋 (岩波文庫 緑 27-7)

日本橋 (岩波文庫 緑 27-7)

作家
泉鏡花
出版社
岩波書店
発売日
1953-12-05
ISBN
9784003102770
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日本橋 (岩波文庫 緑 27-7) / 感想・レビュー

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優希

面白かったです。刹那的で儚くもまばゆい場面が続きます。肉欲的恋愛観が描かれているせいか、艶やかでした。紅橙の巷を舞台に、自分の愛情のあり方を、そこの女性たちに写し込む。女性につきまとう変態的な要素なども織り込まれているので、グロテスクな描写もないとは言えません。それでも美しい情緒的な雰囲気は鏡花でないと出せない味わいがありました。

2016/09/08

ヒロミ

20年ぶりに鏡花マイブーム到来。おもしろかったです!興奮!あまりに典雅な文体ゆえ当初は5W1Hがわからずきょとんとしてしまいましたが、目が慣れてきて一気読み。清葉姐さんが好きですが、お孝さんも切ないです。途中、ツンデレ美女(お孝)が特に取り柄のないフツメン(葛木)に迫るというラノベのような展開になりマジか…と思いましたが後半の怒濤のような展開には息を飲みました。これは舞台映えしますね。しかしけっこうグロい描写も多く、この物語は鏡花以外の人が書いたらかなり通俗的になるなあと鏡花の紙一重の筆力に感服しました。

2016/07/11

メタボン

☆☆☆★ 名文を味わった。しかし、話の筋は理解できたとは言い難かった。主語述語がはっきりとしない語り口なので、出来事がすんなりと頭に入らないこともある。どちらかというと「舞台」の台詞回しだと思って読むと、少し理解しやすいように感じた。されど、お孝の人物像が今一つ腑に落ちなかったため、やはり再読が必要と思った。

2017/12/10

シュラフ

関東大震災前の1914年の作品というから大正時代とはいえ江戸の街の風情とか人々の人情を100年後の我々が楽しむという意味ではいいだろう。だが正直な感想を書かしてもらうと、わたしには違和感が残る作品。葛木に対するお孝の愛情の深さは分かるのだが、そもそもお孝はつきあっていたはずの赤熊を捨てている。妻子を捨ててまでお孝にぞっこんの赤熊にすれば"それはないよ"と言いたいところだろう。悲劇的な結末はお孝の自業自得である。花柳界においては田舎者で不粋な赤熊の愛は滑稽なものということなのか。なんだか嫌な感じが残った。

2016/06/08

えも

蔵書の鏡花再読中10▼日本橋の二人の妓女と若き大学教官の思慕の話なんですが、解説の佐藤春夫によると自然主義文学批判にもなっているとのこと▼それにしても佐藤の「鏡花は正しくもう古い。理由はそれがあまり文学だからである。今日のためにこそ惜しめ、鏡花のために惜しむ要は更にない。」は格好いいね。

2014/11/20

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