婦系図(前篇) (岩波文庫)
婦系図(前篇) (岩波文庫) / 感想・レビュー
えも
蔵書の鏡花再読中11▼新劇で有名、早瀬主税とお蔦さん。花柳ものも鏡花らしい、美しい言葉の連なりが堪能できます▼尾崎紅葉と鏡花の師弟関係をモチーフにしたとは言え、主税の行動がいちいち悪い方にハマって情けないぞ!▼ということで後半に期待。
2014/11/26
シロナガススイカ
『俺を棄てる歟、婦を棄てる歟。』/恩師への義理立てから別れなければならぬ若きドイツ語学者早瀬主税と芸者お蔦。/旧字に苦戦して正直ずっと曖昧に読んでいるので合ってるか不明だが、後半は想像以上に面白くなった。露店で背後から現れる先生にニヤリとし、芸者を抱え込んだ弟子に対しての一括にハラハラ。その後のまさかの「はなむけ」には、先生ぇ〜〜!(感涙) てなもんで一人盛り上がったのだが、読み違えてたら恥ずかしいな。なにせ主税君の真意が読み取れてない……。まぁ何にせよ、こんなに続きが気にならされるとは嬉しい誤算だぜ。
2024/08/26
壱萬参仟縁
め(・点)組 が結構出てくる。江戸の町火消し(広辞苑)。旧字体。「電車」という節で、紳士貴婦人が互に相親睦する集会で、宗教、文学、美術、演劇、美術の品定めが其處で成立つ(112頁)。男女交際会。合コンのようなものか。あまり面白くはない。
2014/02/21
イッパイアッテナ
明治の恋愛はなんともどかしい。今のように自由に会うことができず、そこに忍び寄る陰謀。ただ、気難しくも早瀬と妙を想う先生の心が心地良い。果たして二人の恋の行方は?
2011/06/12
つーさま
この作品は、お蔦という女性の顔のアップから始まる。口紅をつけた唇、白歯に焦点をあて細かく描いている。物語の幕開けとしては異様な光景だが、エロティックな雰囲気を醸し出した冒頭とも言える。お蔦と別れることを主税に迫る彼の恩師の酒井は粋な男で、その娘の妙子は才色兼備。妙子を嫁にしようとする河野は自らの家の結婚のしきたりをひけらかすちょっと嫌な奴。この他多彩なキャラクターが続々と現れる。(続)
2012/06/25
感想・レビューをもっと見る