寺田寅彦随筆集 3 (岩波文庫 緑 37-3)
寺田寅彦随筆集 3 (岩波文庫 緑 37-3) / 感想・レビュー
KAZOO
寺田寅彦の随筆集の第3巻で昭和6年から7年に発表されたものが中心です。私の好きな題材の映画についての随筆が多く楽しめました。結構あの時代としてはよく見られていたほうですね。「読書の今昔」という少し長い随筆も読書家にとっては興味深いものでした。
2014/08/11
Arisaku_0225
物理学者であり生粋の文化人である寺田寅彦の随筆集3巻目。本巻は俳諧や映画等の芸術文芸が多く退屈で読み飛ばしてしまった所も多々あったが、「無批判な多読が人間の頭を空虚にする」という耳の痛くなるような説(「読書の今昔」)や自然科学の研究からスポーツまでに通ずる「自然で弾性的」な心のあり方をバイオリンの「手首」と絡めながら説く話(「「手首」の問題」)など無意識に背筋を伸ばすような話もあり、有意義な読書だったと思う。
2023/10/11
ge_ha
この第三巻では、映画と俳諧連句についての文章が多かった。映画の今後の可能性について書いているけど、現代までに実現してる事も多い。科学的見地から見たら技術的な予測と、芸術的に見た進化すべき方向の予測が、実際の映画の進化と重なる部分が多いのは、彼の考えの正しさの証明になるのでは。日本発の世界的映画の誕生を望んでいた彼に、小津や黒澤の映画を見て貰いたかった。漱石好きとしては「夏目漱石先生の追憶」は当然興味深く読みました。メリーゴーランドに苦い顔して乗ってる漱石を僕も見たい。
2012/04/04
うろたんし
尊敬するひと。科学的な考え方。文学的な話し方。僕の理想とするものをどっちも持っている。三巻からは特に連句と映画との話が印象的だった。さっそく四巻を繙く。
2012/03/04
いちはじめ
「金米糖を作るときに何ゆえにあのような角が出るか。角の数が何で定まるか、これも未知の問題である」などと書く「日常身辺の物理的諸問題」が印象的。これって今でいう複雑系の科学に肉薄しているような……
2000/03/28
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