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雨瀟瀟・雪解 他七篇 (岩波文庫 緑 42-3)

雨瀟瀟・雪解 他七篇 (岩波文庫 緑 42-3)

雨瀟瀟・雪解 他七篇 (岩波文庫 緑 42-3)

作家
永井荷風
出版社
岩波書店
発売日
1987-10-16
ISBN
9784003104231
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雨瀟瀟・雪解 他七篇 (岩波文庫 緑 42-3) / 感想・レビュー

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うた

気だるい雨の午後にぴったりな一冊。しかしだ、雨瀟瀟を読みながら気がついた!これは詩情のおもむくまま読んでたらダメな大人になってしまうやつだ笑。冗談はさておき、小説家としては甘いところがあるのに、荷風が好まれる理由がなんとはなしに理由がわかったように思う。当時の風俗を主題にして愛惜と詩趣をこめつつ、かつ端正な文体で描いた人は荷風の他にいなかったからなのではないだろうか。

2016/08/27

そのじつ

「雨瀟瀟」車谷長吉撰「文士の意地」収録。これまで永井荷風は難しくてなかなか読めなかった。本作も漢詩から仏文まで引用に自作も縦横に使われている。けれど独居の気楽さと侘しさや、自分たちが血道を上げている古雅な趣味が衰退の一途にあることへのぼやきなど、「分かるな」半分、「うざいな」半分という感じで面白く読めた。そして文章がカッコいい。漢詩の語調が聞こえるような。ちょっとクセになりそうな味わい。

2024/02/14

Gotoran

D.ローホー著書(「人生で大切なことは雨が教えてくれた」)繋がりで本書を(荷風初読み)。漢詩、仏語詩を引用し、孤影悄然たる哀感、枯淡の心境が雨音響く描写で始まり、小説家(荷風?)と風流人(ヨウさん)との交流の中に江戸文化・芸能の衰退への嘆きをも描いたタイトル「雨瀟々」。他にも、大正期の東京市中での父娘の人情を描いた「雪解」。花街での母娘の悲哀を描いた「ひかげの花」。候文体の「榎物語」。特に、これらが大変印象深かった。次は、荷風の主要作品も。

2012/11/11

入江

『雪解』を吉見一豊さんの朗読で聴了。菊池寛のように筋がしっかりあり、感情の流れもわかりやすい。荷風らしいひょうげたところもありますが、情緒豊かでした。

2016/10/11

Foufou

短編 「深川の唄」が1909年2月、「狐」が同年1月。よって帰朝後第1作は「狐」ということになる。「深川の唄」を第1と考えたのは、1996年新潮7月号所収の古井由吉と大江健三郎の対談による。36の本邦百年の短編について両作家が寸評する企画。荷風の「ADIEU 」を巡っては、大江氏は洋行した知識人アルアルをそこに認めて「荷風にアデューと言いたい」と嘲笑し、古井氏は「深川の唄」の腰の据わりとのギャップを指摘する。「ADIEU」の後にくる「黄昏の地中海」他2編に言及してこその『ふらんす物語』評である。口惜し。

2019/10/21

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