小僧の神様 他十篇 (岩波文庫 緑 46-2)
小僧の神様 他十篇 (岩波文庫 緑 46-2) / 感想・レビュー
涼
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-63ddcf.html 再読です。すべて「目にみえるよう」に書かれたという著者の言葉どおり、いずれも活写された物語でした。
2023/06/28
カブトムシ
この岩波文庫は1928年(昭和3年)に第一刷が発行されました。「小僧の神様」という小説は、1919年(大正8年)に発表されました。名作で、以来志賀直哉は「小説の神様」と言われるようになりました。本が売れるので、昭和3年から昭和8年まで5年間小説を書きませんでした。1933年(昭和8年)に「万暦赤絵」を出すと、当時文芸時評をしていた川端康成が「わたしも一昔前志賀氏を『小説の神様』として耽読した一人であるが、近頃読み返そうとすると、その神経の『我』がむかむかとして堪えられなかった。」と余りほめて貰えなかった。
2021/06/07
Tαkαo Sαito
100年前に書かれているのにめちゃめちゃ読みやすくてビックリした。そして志賀直哉の出身が宮城県石巻で同じ宮城県出身として親近感笑。流行感冒(スペイン風邪流行時の話)が読みたくて購入したがそれ以外の話も全て良かった。何かインシデントが起きるわけではないのに、本当に描写が目に見えるようで読んでて満足感が大きい。正直、今の作家さんとのレベルの違いを感じた。無駄な言葉、表現が一切削ぎ落としてシンプルなのに、本質が足りている感じ(?)、例えるなら、一周回って一昔のApple製品のような洗練された感じ、伝わるかな笑。
2020/04/29
キジネコ
小僧の~とXmasは全く関係ないのですが、読まなきゃ!と思い立って再読。一瞬から紡ぎ出す作家の日常と背腹をなす物語、見え隠れする惰弱、逡巡する精神。好悪を自身に問えば「悪」かな・・と、思った理由を考えると同族嫌悪かも・・(^^ゞ、読む度に感心し年齢とともに共感を深めるのは精神の機微に触れる言葉の姿形、生きることの妙味を感じます。泡沫の様に消えてなくなる作品が沢山生まれても時代を越えて読み継がれる作品には古さはあっても、腐臭は立たないようです。一番嫌いなのは「城崎にて」読者の苦笑いも作家の手の内か知らん?
2014/12/14
マカロニ マカロン
個人の感想です:B+。読書会のテーマ本候補。小説の神様とも言われるだけあって、志賀さんの短編はどれも面白い。表題作は勿論、『正義派』、『赤西蠣太』、『母の死と新しい母』、『清兵衛と瓢簞』、『好人物の夫婦』、『流行性感冒』読書会で話し合ったら色んな感想や読みが出てきそうでどれも取り上げてみたい。この本を買うきっかけとなった『范の犯罪』は有罪か無罪か議論は尽きないだろう。川上弘美さんの『真鶴』を別の読書会で話し合ったとき、志賀さんにも同タイトルがあることを知りその時読んだが、今回再読して改めて深い話だと感じた
2021/03/04
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