暗夜行路 後篇 (岩波文庫 緑 46-5)
暗夜行路 後篇 (岩波文庫 緑 46-5) / 感想・レビュー
遥かなる想い
本の中の女性の名がなぜかいつまでも心に 残ることがあるが..暗夜行路を読んでいると、 「直子」という妻の名前がひどく懐かしい。 昔ながらの道徳観の中での 子供の喪失と従兄との過ち..直子という名を 聞くと、多くの人は『ノルウェーの森』の 直子を想起するだろうが...だが なぜか長い間 私の中では『暗夜行路』の直子だった 気がする.出逢いから結婚 出産 そして 過失と 赦し...時任謙作の苦悩と彷徨の日々とともに 記憶が蘇る、そんな懐かしい本だった。
2016/03/27
michel
★3.9。志賀直哉作品の中で、唯一の長編。女のちょっとした過失が、本人の考える以上に案外と随分と、深く永く他人を傷付けている。前篇は”母の過失”、後篇は”妻の過失”に振り回される主人公。知らず自ら暗夜を選んでしまう彼の人生を愚かにも思えるが、嫌いになれない。きっと、私にもこんなマゾヒストな一面があるからかな。
2019/01/12
鱒子
後半の内容はメロドラマのようです。しかし、文章が端麗というか、客観的で冷静というか…。格調たかいです。通俗ではなく文学って感じがします。その分、主人公の俗な感情だとか煩悶が伝わりづらかったなあ。巻末に志賀直哉自身のあとがき有り。創作にまつわる裏話が聞けて得した気分です。
2015/12/27
seimiya
謙作の京都での生活と旅。前篇と若干テイストが異なるのは、この小説が長い時間を費やして書かれたものだからだろう。作者あとがきが興味深い。「暗夜行路」は夏目漱石の「心」の後に新聞連載される予定だった小説。夏目漱石の作品も改めて読んでみたくなった。明治・大正を生きた文豪の小説は、当時の日本の生活を垣間見ることができて面白い。謙作が茶屋でサイダーを頼むシーンが新鮮だった。
2014/06/01
俊
心理や情景の描写が凄く良かった。
2018/03/08
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