高村光太郎詩集 (岩波文庫)
高村光太郎詩集 (岩波文庫) / 感想・レビュー
匠
高村光太郎詩集の中では北川太一編が、詩の下部分に詳しい解説が載っていてわかりやすいのだが、こちらは作者自身が校閲した九十三の詩篇を、「道程」より・「道程」以後・「智恵子抄」より、の三部に構成されている。詩集はいつも感覚で読むものだからどうしても好みで選んでしまうが、やはり『道程』には奥深さを感じる。表題作の「道程」はもちろん、”世界がわかわかしい緑になって、青い雨がまた降ってきます”・・で始まる「人類の泉」、父の顔を粘土で作りながら物想う「父の顔」は今ならその意味がすごくわかるし共感できる。
2014/04/28
クプクプ
高村光太郎が彫刻家だということを初めて知りました。自然に対する美や女性に対する美意識が非常に高いです。掲載されている全ての詩が良いですが、私は「ミシエル・オオクレイルを読む」という詩の中の「もうおけらが啼いてゐる。」という文章が一番こころに響きました。私は幼年期から青春時代を狭山丘陵で過ごしましたが、近所の池の土手でケラが鳴いていたのを思い出しました。ケラはモグラのような前足をもつコオロギの仲間なので鳴く虫なのです。短い文章ですが、改めて詩というものは侮れないな、と感じました。
2022/05/10
金吾
智恵子抄しか読んだことがありませんでしたので、面白かったです。特に「声」や「苛察」は良かったです。
2024/05/27
しーふぉ
僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る で始まる道程や智恵子は東京に空がないといふ で始まるあどけない話しなど聞いたことある詩がたくさんある。これを読んで高村光太郎好きになりました。
2014/11/18
たまきら
旦那さんが出しっぱなしにしていたので…やっぱり道程はいいな。牛の詩は忘れてたなあ。
2015/08/07
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