北原白秋詩集 上 (岩波文庫 緑 48-5)
北原白秋詩集 上 (岩波文庫 緑 48-5) / 感想・レビュー
HANA
上巻は「邪宗門」と「思ひ出」を収録。ひたすらに高踏な「邪宗門」もいいけれども、郷愁と土俗と異国情緒がない交ぜになった「思ひ出」に心惹かれた。幼年期の記憶を暗い土俗と共に幻想の故郷として描き出した序文にまずは痺れ、次いで子供の頃のわけもなく恐ろしくなった事を思い出させるような童謡でさらにその世界へと引き込まれる。「たそがれどき」とか「青き甕」とか。TONKAJOHN、SORI-BATTEN、独特の九州弁がそれに輪をかける。やはり自分は郷愁の寂光に満ちた文章に弱いという事を、文章に酔うと共に再確認させられた。
2017/03/15
藤月はな(灯れ松明の火)
怖くなるほど、鮮烈。声にならなくても喉から血がにじみ出るまで溜め込んでいた狂気や自死に転じそうな孤独、焦燥感などの心の膿を叫んでいるような印象で思わず、抱きしめたくなるような痛々しさがありました。
2015/03/31
冬見
「時は逝く。赤き蒸気の船腹の過ぎゆくごとく、/穀倉の夕日のほめき、/黒猫の美くしき耳鳴のごと、/時は逝く。何時しらず、柔かに陰影してぞゆく。/時は逝く。赤き蒸気の船腹の過ぎゆくごとく。」瞼の裏に残る、赤と金色。
2018/02/02
有沢翔治@文芸同人誌配布中
邪宗門などで有名ですね。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51511015.html
2020/02/28
ホレイシア
日本の詩人では一番好き。
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