わしも知らない 他10篇 (岩波文庫 緑 50-5)
わしも知らない 他10篇 (岩波文庫 緑 50-5) / 感想・レビュー
桜もち 太郎
武者小路実篤が青年期から壮年期にかけて書いた戯曲集。10編からなる作品集だが、すべて実際に舞台上演されているようだ。内容は説話的なものが多かった。面白かったのは「秀吉と曽呂利」かな。曽呂利とは落語家の始祖らしい。秀吉と淀君と曽呂利の掛け合いが良かった。教訓として良かったのが「桃源」、一人の男が桃の木を植えることに自分の人生をかけていた。「参るのも人間だが、それで折れないのも人間だ」と老人に諭される場面が良かった。でも少し戯曲は苦手かな。
2013/09/22
遠山太郎
三和尚 p70(一休)「私は又土呂からどうかして食物をつくることは出来ないかと内々やって見たことがあつたが、どうもものにならなかつたよ」(白隠)「さうですか。私も実は内々考えて見たことがあるのです。」(沢庵)「それは本当ですか。私も考えて見たのですよ。さうして内々食べて見たこともあるのですよ。」(一休)「何のことはない三馬鹿だね。」(三人笑う)
2014/01/14
キリアイ
どの話も面白かったが三和尚の一休・白隠・沢庵のやりとりがとくに好きだった。表題作。わしも知らないはすごく考えさせられた…。
2013/02/09
深川路
私は「或る日の一休」が一番好きでした。最後の、一休と寺男の仲良しぶりにほのぼのw表題作の「わしも知らない」はとにかく秀逸。私は今まで、これほど悲しく、強い悟りを感じたことがありませんでした。
2011/03/15
舫
正確には、「わしも知らない」を他の本で読んだのだけれど、いろんな意味で心に残る短編でした。
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