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新編 啄木歌集 (岩波文庫 緑54-1)

新編 啄木歌集 (岩波文庫 緑54-1)

新編 啄木歌集 (岩波文庫 緑54-1)

作家
石川啄木
久保田正文 編
出版社
岩波書店
発売日
1993-05-17
ISBN
9784003105412
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新編 啄木歌集 (岩波文庫 緑54-1) / 感想・レビュー

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さゆ

不道徳、されどロマンチック。日常の気持ちを忌憚なくかつ実直に歌にされたものが多く、特に貧困と病への嘆きが胸を打った。 「やや長きキスを交わして別れ来し 深夜の街の 遠き火事かな」 「何処やらに 若き女の死ぬごとき悩ましさあり 春の霙降る」

2023/12/06

ばりぼー

代表歌集『一握の砂』『悲しき玩具』に、雑誌や新聞に発表した歌を年代順に網羅した「補遺」と詳細な解説を加えた研究者用とも言える豪華版。太宰治などと同様、作者の人格と作品の芸術性は無関係だという好例。「たはむれに母を背負ひてそのあまりの軽きに三歩あゆまず」「友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買い来て妻と親しむ」…「清貧」なんていう言葉で美化されがちですが、家庭を顧みずに借金を重ねて女遊びを繰り返したろくでなしですから。「一度でも我に頭を下げさせし人みな死ねといのりてしこと」時にポロッと本音が…(笑)。

2018/02/11

Kikuyo

「雨後の月ほどよく濡れし屋根瓦のそのところどころ光るかなしさ」「人間のつかはぬ言葉ひょっとしてわれのみ知れるごとく思う日」「いのちなき砂のかなしさよさらさらと握れば指のあひだより落つ」悲しさ、郷愁、においで記憶をたどるような歌が自分は好みかな。「たんたらたらたん」と雨音の表現も痛む頭にひびくかなしさも、真っ直ぐな感覚表現がススッと心に入ってきます。

2018/12/31

kaizen@名古屋de朝活読書会

石川啄木、与謝野晶子、小林一茶の3人が、自分の詩作に影響を与えた人だと思っています。そうはいっても、18歳の時に詩集を作って以来、詩集を作っていないので、影響もへったくれもないかもしれません。35年たった今、もう一度、この人たちの文学作品を読んで、詩集を作ってみようと思っています。今昔秀歌百撰http://researchmap.jp/jo98dmxoy-1787586/#_1787586にも石川啄木の詩と解説あります。

2013/04/21

eihuji

はたらけど はたらけど猶 わが身体 細くならざり ぢつと腹を見る 15年ほど前に社内報に掲載された僕の生涯傑作である。どこかで見た気がするのは気のせい。至極残念ながら処女作にして才能の枯渇を迎えたが、僕の中ではこの業績が経年に色褪せる事は無い。むしろ、ぢつと腹を見る、時間が年々長くなって来たのが気のせいだと云い張れないのが切ない。さて、本書。一時の啄木ブームは去ったものの読み手に情景を容易に想わせる種も仕掛けもない真っ直ぐな歌は不滅である。困窮生活の一方、滑らかに口を衝く言葉の豊かさが鮮やかに映える。

2018/01/19

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