蜘蛛の糸・杜子春・トロッコ 他十七篇 (岩波文庫 緑 70-7)
蜘蛛の糸・杜子春・トロッコ 他十七篇 (岩波文庫 緑 70-7) / 感想・レビュー
molysk
表題作をはじめとして、こども向きといえる作品を集めた短編集。仏教説話の態で因果応報を説く「蜘蛛の糸」。中国古典を範として仙人を志す若者を描く「杜子春」。冒険に出た少年が希望からの暗転に出会う「トロッコ」。ほかにもおとな向けに脚色されたおとぎ話や、怪談や戯作など、創り出された作品の幅広さは、芥川龍之介の才能のなせる業か。中でも印象深いのは、物語の流れを一瞬にして反転させてしまう、結末に至る展開の巧みさ。こどもだけではなく、おとなも引き込まれる。卓越した短編小説家であった芥川の面目躍如たる、珠玉の作品の数々。
2022/09/04
naoっぴ
ゆっくり時間をかけて味わいました。芥川作品の中で子ども向きな作品を収めたとのことで、教科書に出てきそうな話や童話のような話、戯曲など、ジャンルも多岐にわたっていて興味深く読みました。「父」「トロッコ」「雛」に心動かされ、「蜘蛛の糸」のさすがの語りの美しさには思わず音読。昔ばなしのパロディはちょっと笑えます。芥川竜之介ってこういうものも書いてるのね、と親近感を感じる短編集でした。楽しめました。
2016/02/12
優希
子供向けに書かれた短編集ですが、そのジャンルは小説・随筆・童話・戯曲と幅広いです。芥川の少年のような素朴さを感じることができました。
2023/03/18
優希
芥川の作品の中から「子供向け」の作品を集めたということですが、十分読み応えがありました。少年の素直な心を感じる人も多いでしょうね。
2022/04/13
優希
何度読んでも芥川の少年のような素朴さを感じます。子供向けと思われる作品を集めているからでしょうか。それでも読み応えは十分あります。
2024/04/23
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