青年の環 4 (岩波文庫 緑 91-6)
青年の環 4 (岩波文庫 緑 91-6) / 感想・レビュー
格
正行が抱える問題は上司達、というよりもいかにも日本的と感じさせる事なかれ主義に阻まれて袋小路に陥っていくようだ。対照的に、出泉の方は自らの家に纏わる秘密の正体に着実に近付きつつある。正行の母よし江が金策に奔走する姿がサイドストーリーのように置かれているが、読んでいるこちらが悔しくなってくる程上手くいかない。それでも折れないよし江を支えるのが信仰であり、この問題は作中の裏の主題ともいえるもののようだ。
2024/10/07
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